型番違いでも使える?ボタン電池のサイズや種類の見方

型番違いでも使える?ボタン電池のサイズや種類の見方 乾電池・ボタン電池(一次電池)
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

リモコンや時計、おもちゃなど、身の回りにはボタン電池を使うものがたくさんありますよね。

でも、いざ電池を交換しようと思っても、「CR2032」とか「LR44」とか、たくさんの記号があってどれを選べばいいか迷ってしまうことはありませんか?

ボタン電池のサイズや型番は、慣れないと見方が分からなし、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。

見た目はそっくりでも、実はそれぞれ違う「個性」を持っています。間違った電池を使うと、うまく動かなかったり、寿命が短くなったり、場合によっては故障や危険な事故につながることもあります。

この記事では、そんなボタン電池の型番が何を意味するのか、どうやって選べばいいのかを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

電池交換に悩んでいる方は、正しい知識を身につけて、安心してボタン電池を使いましょう。

ボタン電池の型番から種類・サイズの基本的な見方

ボタン電池の型番は、何かの暗号みたいに見えますが、実はとても親切なヒントなんです。

型番は世界共通のルールで、電池の「種類」と「サイズ」を教えてくれています。

型番はいつも「アルファベット」と「数字」の組み合わせになっています。

このルールを知れば、電池のサイズや種類が一目でわかります。

ボタン電池の型番はどう決まる?(例:CR2032の意味)

たとえば、最も広く使われている「CR2032」という型番を見てみましょう。

  • 最初のアルファベット(CR): 電池の種類の略号で、リチウム電池を意味します。
  • 最初の2桁の数字(20): 直径をミリメートルで表します。この場合、直径は20mmです。
  • 最後の2桁の数字(32): 厚さを0.1mm単位で表します。この場合、厚さは3.2mmです。

つまり、CR2032は「直径20mm、厚さ3.2mmのリチウム電池」ということになります。

アルファベット(CR・LR・SR)の違い

型番のアルファベットは、電池の化学的な種類を示しています。

最初の1〜2文字のアルファベットは、その電池がどんな素材でできているか、つまり「種類」を表しています。これが分かると、それぞれの電池の特徴が分かります 。  

  • C:リチウム電池:公称電圧は3V 寿命が長い
  • L:アルカリボタン電池:公称電圧は1.5V 安価
  • S:酸化銀電池:公称電圧は1.55V *電圧が安定
  • P:空気亜鉛電池:公称電圧は1.4V 空気中の酸素を利用して発電

アルファベットの次に付いていることが多い「R」は、Round(丸い)の頭文字で、ボタン電池やコイン電池のように、円筒形であることを示しています。

種類によって公称電圧や安定性が違ってくるので、用途が変わってきます。

数字部分はサイズ(直径・厚さ)を表す

型番の最後の数字は、電池の大きさを表します。

  • 2桁の数字(例:LR44, SR41):
    これは、電池の大きさが国際的なルールで決まっていることを意味します。
    例えば、「44」は直径11.6mm、厚さ5.4mmの電池、というように決まっています。  
  • 4桁の数字(例:CR2032, CR1616):
    この場合、数字の読み方が少し違います。
    最初の2桁が「直径(mm)」を、次の2桁が「厚さ(0.1mm単位)」を表しています。
    例えば「CR2032」なら、「直径20mm、厚さ3.2mm」ということになります。  

このように、型番を分解して見てみると、どれを選べばいいか一目でわかるようになります。

記事の方でサイズ表をまとめています。

代表的なボタン電池の種類と特徴

用途に応じて最適な電池を選ぶために、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

リチウム電池(CR型)

  • 特徴:
    公称電圧3V。軽量で大容量、長寿命です。自己放電が少ないため、長期間保存が可能です。
  • 主な用途:
    電卓、時計、コンピュータのマザーボード、リモコン、小型ゲーム機など。

パワフルで、とても長持ちなことが強みです。

LRやSRの約2倍の電圧(3V)を出すことができます。

また、置いておいてもなかなか電力が減らないので、長期間使わない機器にも向いています。  

キーレスエントリーやパソコンのバックアップ電源など、長い期間安定して動いてほしい機器にぴったりです。

アルカリ電池(LR型)

  • 特徴:
    公称電圧1.5V。安価で手軽に購入できます。電圧が徐々に低下するため、機器によっては性能が不安定になることがあります。
  • 主な用途:
    シンプルな電卓、電子体温計、おもちゃなど、比較的消費電力が少ない機器。

とにかくお財布に優しいことが強みです。

酸化銀電池の安価な代わりとして作られました 。  

注意点:
使っているうちに、少しずつ電圧(力)が弱くなっていきます 。なので、精密な機器にはあまり向いていません。おもちゃやLEDライト、簡単な電卓など、少しずつ力が弱くなっても大丈夫な機器で使うのがおすすめです 。  

酸化銀電池(SR型)

  • 特徴:
    公称電圧1.55V。放電終止まで電圧が安定しているのが最大の特徴です。精密な動作が求められる機器に適しています。
  • 主な用途:
    アナログ腕時計、精密計測器、補聴器(SR型は少ない)。

電池の力が最後までずっと安定しているので、例えるなら、最初から最後まで同じ力で走り続けるランナーのようです。

だから、電圧のわずかな変化で動きがおかしくなるような、精密な機器(腕時計、電子体温計など)にぴったりです。

アルカリ電池より長持ちするのも特徴です 。  

注意点:
少し値段が高いことが多いです。  

空気亜鉛電池(補聴器用)

  • 特徴:
    空気中の酸素を利用して発電します。公称電圧は1.4V。シールを剥がして空気に触れると作動し始めます。
  • 主な用途:
    補聴器専用。

補聴器に特化した特別な電池であること。  

使い方:
この電池は、空気中の酸素を使って発電する特殊な仕組みです。使う直前に貼ってあるシールを剥がして、30秒〜1分ほど待ってから使います。  

注意点:
補聴器専用なので、他の機器には使えません。また、二酸化炭素や乾燥、冷えが苦手なので、保管場所には注意が必要です。特に、補聴器と一緒に乾燥ケースに入れてしまうと、電池の寿命が短くなる原因になるので気をつけましょう 。

メーカーや国によって異なる型番(AG13など)

同じ電池でも、メーカーによって異なる型番が使われることがあるため、この互換規格を覚えておくと、お店で探すときにとても便利です。  

例えば、「LR44」と「AG13」は、名前は違いますが、実は同じ電池を指しています 。

このように、互換規格は、見慣れない型番に出会ったときでも、安心して正しい電池を選べるようにするための大切な情報です。

後述する  ボタン電池サイズ一覧表にも代表的な型番をまとめています。

一度、目を通してみてください。

ボタン電池は種類やサイズ違いでも使える?互換性の考え方

「型番が違っても使えるの?」これは一番気になるポイントですよね。

答えは「ケースバイケース」です。

「サイズが同じなら使えるのでは?」と思いがちですが、安易な代用は故障や事故の原因になることがあります。

サイズが同じでも、種類(化学系)が違うと注意が必要

たとえば、SR44LR44は、どちらもサイズと電圧(1.5V)が同じなので、物理的には機器に入れることができます。でも、両者は得意なことが違います。  

  • SR(酸化銀電池): 最後まで安定した力(電圧)を出します。
  • LR(アルカリボタン電池): 使うほどに力が少しずつ弱くなっていきます。

なので、もしメーカーが「SR44を使ってください」と指定している機器(精密な腕時計など)に、代わりに「LR44」を使ってしまうと、最初は動いても、だんだん力が弱くなって時計が遅れたり、突然止まったりする可能性があります。

機器の性能をしっかり活かすためには、やはり取扱説明書に書いてある電池を使うのが一番です。 

逆に、LRの代わりにSRを使うのは、性能がアップするので問題ありません 。

電圧が違うものは絶対にNG!

これが最も大切なルールです。

例えば、1.5VのLRSRを、3VのCRの代わりに使うことは絶対にできません。

機器は決まった電圧で動くように作られているため、違う電圧の電池を使うと、機器が壊れたり、熱が出たり、最悪の場合は火災につながる危険があります。

型番の数字が同じでも、最初のアルファベットが違う場合は、必ず電圧を確認するようにしましょう。

ボタン電池サイズ一覧表(よく使われる型番まとめ)

ご家庭やオフィスでよく使われるボタン電池の代表的な型番と、そのサイズをまとめました。

時計やリモコンで使われる代表的な型番

型番化学系公称電圧直径 (mm)厚み (mm)主な用途互換規格
LR41アルカリ1.5V7.93.6小型機器、玩具などAG3, 192, RW87, L737, G3A
LR43アルカリ1.5V11.64.2小型機器、玩具などAG12, 186, D186A, L1142, G12A
LR44アルカリ1.5V11.65.4玩具、電卓、歩数計などAG13, A76, V13GA, L1154, G13A
CR1220リチウム3V12.52.0メモリーバックアップなどECR1220, SB-T13
CR1616リチウム3V16.01.6キーレスエントリーなどECR1616, DL1616, SB-T16
CR1620リチウム3V16.02.0薄型機器、デジタル時計などECR1620, DL1620, SB-T17
CR2016リチウム3V20.01.6電子手帳、リモコンなどECR2016, DL2016, SB-T11
CR2025リチウム3V20.02.5薄型機器、リモコンなどECR2025, DL2025, SB-T14
CR2032リチウム3V20.03.2PCマザーボード、キーレスエントリーなどECR2032, DL2032, SB-T51
CR2430リチウム3V24.53.0自動車キー、PC周辺機器などECR2430, DL2430, SB-T74
CR2450リチウム3V24.55.0高電力要求の機器などDL2450, KECR2450-1

メーカーによる互換表のチェック方法

主要な電池メーカーのウェブサイトでは、型番の互換表を公開していることがあります。

例えば、MaxellやPanasonicの「電池の互換性」ページなどで、他社製品との互換性を確認できます。

不安な場合は、メーカーの情報を参照するのが一番確実です。

Maxellの「ボタン形電池・コイン形電池の品番早見表

ボタン電池の選び方と注意点

安全に機器を使うためにも、正しい選び方と交換方法を知っておきましょう。

選び方の3つのポイント

  1. まずは取扱説明書をチェック!
    迷ったら、機器に付いている取扱説明書を確認するのが一番確実です。メーカーが「この電池を使ってください」と指定しているものが、その機器にとって最高の電池だからです 。  
  2. 型番だけでなく、種類(アルファベット)も確認!
    同じサイズでも、SRLRかで性能が違います。腕時計のような大切な機器には、取扱説明書に書いてある通りの種類を選びましょう。
  3. 信頼できるメーカーの製品を選ぶ
    すごく安い電池の中には、品質にバラつきがあったり、偽物だったりすることがあります 。特に偽物のリチウムイオン電池は、発熱や火災の危険があるという報告も 。安心して使うためにも、信頼できるメーカーの電池を選びましょう。  

安全に使うための交換方法

  • **電池の極性(+と-)**を正しくセットする。
  • 古い電池と新しい電池を混ぜて使わない。
  • 交換時はショートしないよう、金属部分に触れないようにする。

大切なお約束:誤飲に注意!

ボタン電池の最も怖いところは、小さなお子さんやペットが間違って飲み込んでしまう事故です。

飲み込まれた電池は、体内で唾液などと反応して電流が流れ、食道の粘膜をわずか数時間で溶かしてしまいます。

これは「化学やけど」と呼ばれ、最悪の場合、命にかかわる大変な事故につながります。  

たとえ使い切った電池でも、この危険性は変わりません  

もし飲み込んでしまった疑いがある場合は、すぐに病院に行ってください。

普段から電池は、お子さんやペットの手の届かない場所にしっかり保管し、電池交換は必ず大人が行いましょう。 

電池交換・保管のちょっとしたコツ

  • 熱や水から遠ざける:
    直射日光が当たる場所や、高温多湿、水気のある場所は避けましょう。電池が劣化したり、液漏れの原因になります 。  
  • 新しい電池と古い電池を混ぜない:
    種類やメーカーの違う電池を混ぜて使うと、液漏れや破裂の原因になります 。  
  • 捨てる時はテープを貼る:
    使い終わった電池を保管したり捨てたりする時は、プラスとマイナスの両方の端子にセロハンテープなどを貼りましょう。他の金属と触れてショートし、熱が出たり火が出たりするのを防ぎます 。  

まとめ:ボタン電池のサイズや種類の見方:型番違いでも使える?

ボタン電池は見た目が似ていても、型番のアルファベットが化学系(CR・LR・SR・P)を、数字がサイズ(直径・厚さ)を示すという明確なルールがあります。

  • CR:リチウム電池(3V・長寿命)
  • LR:アルカリ電池(1.5V・安価)
  • SR:酸化銀電池(1.55V・安定)
  • P:空気亜鉛電池(1.4V・補聴器専用)

互換性については、同じサイズでも化学系や電圧が違うと代用不可の場合があるため注意が必要です。

  • SR指定の機器にLRを入れると誤作動や寿命短縮の原因に
  • 電圧の違う電池(1.5Vと3Vなど)は絶対に代用不可

ボタン電池を選ぶときは、

  1. 取扱説明書に記載された型番を確認
  2. 信頼できるメーカー製を選択
  3. 正しい向きで安全に交換

この3つを守ることが大切です。

正しい知識で電池を選べば、機器を長持ちさせられるだけでなく、事故や故障のリスクを防ぐことができます。

タイトルとURLをコピーしました