PSEマークとは?日本だけ?無いとどうなる?電気用品の安全基準

PSEマークとは?日本だけ? 無いとどうなる? 電気用品の安全基準 その他
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日常的に目にする電気製品の「PSEマーク」。

PSEマークって何?そんな疑問にお答します。

この記事では、経済産業省が定める電気用品安全法の概要を軸に、日本だけに適用されるPSEマークの基礎知識を徹底解説します。

日本独自の安全基準の確認方法から、もしもの時の偽物との見分け方まで、あなたの疑問を解消し、安全な電気製品選びをサポートする情報をお届けします。

PSEマークとは?日本だけ?

PSEマークとは、「Product Safety Electrical Appliance & Materials」の略で、日本の電気用品安全法(PSE法)に基づき、電気製品が国の安全基準を満たしていることを示すマークです。

テレビや冷蔵庫、スマートフォンの充電器、モバイルバッテリーなど、私たちの身近な電気製品に幅広く表示が義務付けられています

PSEマークには2種類あり、

  • ひし形PSEマーク
    特に高い安全性が求められる「特定電気用品」(例:ACアダプタ、電気ストーブなど)に付けられます。登録検査機関による厳格な検査が必要です。
  • 丸形PSEマーク
    それ以外の「特定電気用品以外の電気用品」(例:モバイルバッテリー、LEDランプなど)に付けられます。メーカーや輸入業者が自主検査を行い、基準を満たしていることを示します
PSEマーク
ひし形PSEマーク
(特定電気用品)
丸形PSEマーク
(特定電気用品以外の電気用品)
1. 登録検査機関による厳格な検査
2. 技術基準適合証明の取得
3. 経済産業省への届出
4. 定期的な品質管理の実施
1. メーカー・輸入業者の自主検査
2. 技術基準適合確認の実施
3. 経済産業省への届出
4. 自主的な品質管理
PSEマークの認証プロセスの違い

PSEマークは日本だけ?

PSEマークは前述の通り、日本の電気用品安全法なので日本独自の安全基準です。

管轄は 経済産業省となっています。

目的は、電気用品による危険・障害の発生を防止し、国民の安全を確保となっています。

海外にもアメリカのUL認証やEUのCEマークなど安全認証制度はありますが、PSEマークは日本国内でのみ有効です。

海外製品であっても、日本で販売する場合はPSEマークの表示が必須となります

国・地域安全認証マーク例日本での有効性
日本PSEマーク必須
アメリカULマーク日本では無効
EUCEマーク日本では無効

PSEマークの対象と対象外製品

対象となるPSEマークの製品

家電製品
  • テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン
  • 電子レンジ、炊飯器、コーヒーメーカー
  • 掃除機、扇風機、加湿器
デジタル機器
  • スマートフォン、タブレット、ノートPC
  • 充電器、ACアダプター、USBケーブル
  • モバイルバッテリー、ポータブル充電器
照明機器
  • LED電球、蛍光灯、白熱電球
  • 照明器具、スタンドライト
その他
  • 電気ストーブ、ヒーター
  • 電動工具、理美容機器
  • ゲーム機、音響機器
ひし形PSEマーク(特定電気用品)の代表例
  • ACアダプター(100V-240V対応)
  • 電気ストーブ、ヒーター
  • 電気温水器、電気湯沸かし器
  • 電気マッサージ機
  • 電動工具(ドリル、サンダーなど)
  • 理美容機器(ヘアドライヤー、電気シェーバーなど)
丸形PSEマーク(特定電気用品以外の電気用品)の代表例
  • モバイルバッテリー
  • LED電球、蛍光灯
  • 小型家電(ミキサー、トースターなど)
  • 音響機器(スピーカー、ヘッドフォンなど)
  • ゲーム機、玩具

PSEマークの対象外

PSEマークはすべての電気製品に必要なわけではありません。

電気用品安全法で定められた特定電気用品116品目、特定電気用品以外341品目以外の製品は対象外です

主な対象外製品の例
  • USBやシガーソケットで給電する製品
  • 乾電池で動作する製品
  • ノートパソコン本体(ただしACアダプターは対象)
  • 消費電力が極めて低い製品

ACアダプターやモバイルバッテリーなどはPSE対象ですが、本体が直流のみで動作する場合は対象外となることがあります

ひし形と丸形PSEマークは何を基準に分類される?

現時点では、以下の理由により分類されているようです。

しかし、法改正で変わる事もあります。

モバイルバッテリーなどリチウム製品の火災事故などを考えると将来的には変更があるかもしれませんね。

ひし形PSEマーク(特定電気用品)

直接電力系統に接続されたり、高温になったり、感電の危険性が高い部品や製品であり、不具合があった場合に火災や感電といった重大な事故に繋がりやすいため、厳格な検査が義務付けられています。

丸形PSEマーク(特定電気用品以外の電気用品)

特定電気用品と比較して、事故の発生頻度や、発生した場合の被害の大きさが比較的低いと判断されています。そのため、事業者の自主検査と安全基準への適合確認が基本となります。

PSEマークはいつから?

PSEマーク制度は2001年4月1日から施行されました。

それ以前は「電気用品取締法」による規制でしたが、2001年の法改正で「電気用品安全法」となり、PSEマークの表示が義務化されました

モバイルバッテリーなど一部製品は2019年2月から表示義務化されています

PSEマークの確認方法

  • 本体やパッケージの表示
    製品本体や外箱、取扱説明書にPSEマークが印字されているか確認します
  • マークの種類
    ひし形(◇)は特定電気用品、丸形(〇)はそれ以外の電気用品に表示されます
  • 事業者名・定格表示
    マークの近くに製造・輸入事業者名や定格電圧・容量などが記載されているか確認します
  • 公式サイト
    公式サイトで確認できる場合があります

PSEマークとは?無いとどうなる?

PSEマークが無いとどうなる?

PSEマークの表示が義務付けられている電気用品にPSEマークが無い場合、以下のような重大な問題が発生します。

  • 製造・輸入・販売が禁止
    PSEマークがない製品は、日本国内で製造・輸入・販売が一切できません
  • 厳しい罰則
    違反した場合、個人は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」、法人は「1億円以下の罰金」が科せられる可能性があります
  • 安全性の保証がない
    PSEマークがない製品は、国の安全基準を満たしていないため、火災や感電などの事故リスクが高まります

PSEマークの偽物?どう区別する?

PSEマークは本来、国の安全基準を満たした電気製品にのみ表示が許されるマークですが、一部の製品では正規の手続きを経ずに偽造されたPSEマークが付けられていることがあります

特にオンラインショップや海外製品、安価なモバイルバッテリーなどで偽物が多く見られます

偽物の見分け方

  • マークの印字品質
    正規品はマークが鮮明で輪郭がはっきりしていますが、偽物は線がぼやけていたり、かすれていたりします
  • マークの形状やフォント
    正規のPSEマークは決まった形状・フォントですが、偽物は形が歪んでいたり、フォントが異なる場合があります
  • 事業者名の有無
    最近の正規品はPSEマークの近くに必ず製造・輸入事業者名が記載されています。マークだけで会社名がない場合は偽物の可能性が高いです。万が一事故が起きた際に責任の所在を明らかにするために必須の表示だからです。
  • 価格が不自然に安い
    極端に安価な商品は違法輸入や偽物のリスクが高いです
  • シール式のマーク
    剥がれやすいシールで貼られている場合は偽物の可能性があります

Amazonでの偽物

Amazonなどの大手ECサイトでも、偽造PSEマーク付き製品が流通していることがあります

特に中国製品や並行輸入品で多く、画像にはPSEマークがあっても実物には無い、または偽物であるケースも報告されています

購入時は「事業者名の記載」「正規販売店かどうか」「価格が不自然に安くないか」などを必ず確認しましょう。

PSEマークに関するよくある質問と回答(FAQ)

Q
海外旅行で購入した電気製品は使えますか?
A

営利目的でなく自身で使う分には、電気用品安全法は適用されないようです。ただし、日本で安全性が保証されていません。万が一、事故や故障が発生した場合、自己責任となります。基本的には使うのは避けておきましょう。

Q
古い電気製品にPSEマークがありませんが、使っても大丈夫ですか?
A

個人が所有している古い電気製品を「使用」することについては、罰則の対象とはなりません。ただし、基準を満たす検査を受けてない製品なので、できる限り新しい製品に変えた方が安全です。

Q
モバイルバッテリーのPSEマークはいつから義務化されましたか?
A

モバイルバッテリーのPSEマーク表示義務は2019年2月から開始されました。それ以前に製造された製品は表示義務がありません。

Q
PSEマークがない製品を販売している店舗を見つけたらどうすればいいですか?
A

消費者庁や経済産業省、お住まいの地域の消費生活センターなどに相談することを検討してください。

Q
電気製品のリサイクル時にもPSEマークは必要ですか?
A

PSEマークの表示がない電気製品をリサイクル品として販売することはできません。適切なリサイクル方法に従って処分してください。

PSEマークとは?のまとめ

  • PSEマークとは:日本の電気用品安全法に基づき、安全基準を満たした電気製品に付けられるマーク。
  • 日本だけの制度:PSEマークは日本独自のもので、海外の認証マークでは代用できません。
  • 無いとどうなる?:PSEマークがないと製造・輸入・販売ができず、厳しい罰則や事故リスクも。

電気製品を選ぶ際は、PSEマークの有無を必ず確認し、安全・安心な製品を選びましょう

私たちの安全を守る基準を満たしたマークとなりますので、基本的にはPSEが適合された製品を利用するのが良いです。

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