エアコン暖房の電気代は、6畳用(冷房能力2.2kW)で1時間あたり約5円、1日18時間使って約97円、1ヶ月で約2,900円が目安です。部屋が広くなるほど高くなり、14畳用では1ヶ月約6,300円になります。同じエアコンでも、暖房の電気代は冷房の約2倍以上かかります。
この記事では、日立とパナソニックの仕様表・公式ページに載っている消費電力と期間消費電力量をもとに、エアコン暖房の電気代を1時間・1日・1ヶ月、畳数別、設定温度別(18℃・20℃・22℃)に計算しました。冷房と比べて暖房の電気代が高くなる理由と、電気代を抑えるコツもあわせて紹介します。電気代の単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込)で計算しています。
エアコン暖房の電気代は1時間・1日・1ヶ月でいくら?
エアコン暖房の電気代の計算方法

エアコン暖房の電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電気代単価(円/kWh)」で計算できます。
電気代は、使った電力量(kWh)に単価をかけて決まるからです。単価は契約している電力会社やプランによって違うため、家電のカタログでは全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた目安単価31円/kWh(税込)が使われています。当サイトもこの単価で計算しています。
たとえば、消費電力470W(0.47kW)で1時間運転すると、0.47kW×1時間×31円=約14.6円です。ただし、エアコンは部屋の温度に合わせて運転の強さを自動で変えるため、消費電力は一定ではありません。部屋が冷えている運転開始直後は大きく、暖まったあとは小さくなります。
そこでこの記事では、実際の使い方に近い目安として、仕様表に載っている「期間消費電力量」を主に使います。期間消費電力量とは、JIS(日本産業規格)の決まった条件で1シーズン使ったときの消費電力量の試算値です。日立の仕様表によると、暖房の条件は東京の気候をモデルに、設定温度20℃、暖房期間11月8日〜4月16日(160日間)、1日6時〜24時の18時間です。
この計算方法は、パナソニックの暖房の電気代の解説ページと同じです。部屋が暖まって運転が弱くなっている時間も含めた平均なので、「つけている間ずっとこの金額」というより、「ひと冬ふつうに使ったときの平均」と考えてください。
6畳のエアコン暖房は1時間約5円、1ヶ月約2,900円
6畳用のエアコンで暖房を使うと、電気代は1時間約5.4円、1日(18時間)約97円、1ヶ月約2,900円が目安です。
日立のルームエアコン Dシリーズの6畳用(RAS-DR2226S)は、暖房時の期間消費電力量が502kWhです。これを前の見出しの式にあてはめると、次のようになります。
使う時間が短ければ、そのぶん安くなります。1時間約5.4円をもとにすると、3時間で約16円、5時間で約27円、8時間で約43円です。パナソニックの公式ページでも、2026年モデルの6畳用の暖房の電気代は1時間約4.6〜5.3円(シリーズによる)とされていて、メーカーが違ってもほぼ同じ水準です。
なお、この期間消費電力量は設定温度20℃で試算されています。「暖房20度で1ヶ月いくら?」という疑問には、6畳用なら約2,900円がひとつの目安になります。
畳数(能力)別のエアコン暖房の電気代
エアコン暖房の電気代は、部屋が広く、エアコンの能力が大きいほど高くなります。6畳用と18畳用では、1ヶ月の電気代に約3倍の差があります。
広い部屋を暖めるには、より多くの熱を運ぶ必要があり、そのぶん電力を使うからです。日立 Dシリーズの仕様表の暖房時期間消費電力量から、畳数別の電気代を計算すると次のとおりです。
| 部屋の広さ(型式) | 暖房時の期間消費電力量 | 1時間 | 1日(18時間) | 1ヶ月(30日) |
|---|---|---|---|---|
| 6畳(RAS-DR2226S) | 502kWh | 約5.4円 | 約97円 | 約2,918円 |
| 8畳(RAS-DR2526S) | 567kWh | 約6.1円 | 約110円 | 約3,296円 |
| 10畳(RAS-DR2826S) | 647kWh | 約7.0円 | 約125円 | 約3,761円 |
| 12畳(RAS-DR3626S) | 988kWh | 約10.6円 | 約191円 | 約5,743円 |
| 14畳(RAS-DR4026D) | 1,090kWh | 約11.7円 | 約211円 | 約6,336円 |
| 18畳(RAS-DR5626D) | 1,458kWh | 約15.7円 | 約282円 | 約8,475円 |
パナソニックも、2026年モデルの暖房の1時間あたりの電気代を畳数別に公開しています。
| 部屋の広さ | Xシリーズ | Jシリーズ |
|---|---|---|
| 6畳 | 約4.6円 | 約5.3円 |
| 8畳 | 約5.2円 | 約6.1円 |
| 10畳 | 約5.8円 | 約7.0円 |
| 14畳 | 約8.3円 | 約11.6円 |
| 18畳 | 約12.7円 | 約15.8円 |
日立のスタンダードモデルとパナソニックのJシリーズは、どの畳数でもほぼ同じ金額です。一方、Xシリーズは期間消費電力量が少ない(省エネ性能が高い)ぶん、特に14畳以上の広い部屋で電気代が安くなっています。パナソニックの14畳用では、ひと冬の電気代がXシリーズ(CS-X406D2)で約33,046円、Jシリーズ(CS-406DJR2)で約47,864円と、1万円以上の差があります。広い部屋で暖房を長時間使う家庭ほど、エアコンの省エネ性能が電気代に効いてきます。
暖房の運転中は1時間約5〜36円と幅がある

エアコン暖房の1時間の電気代は平均すると約5円(6畳用)ですが、運転の状態によって約5円から約36円まで大きく変わります。
エアコンは部屋の暖まり具合に合わせて運転の強さを細かく変え、消費電力も変わるからです。仕様表の消費電力には、標準の条件で運転したときの「定格」の値と、(最小〜最大)の幅が書かれています。日立 Dシリーズの6畳用(RAS-DR2226S)の暖房の消費電力と、1時間あたりの電気代は次のとおりです。
| 運転の状態 | 消費電力 | 1時間の電気代 |
|---|---|---|
| 最小(部屋が暖まり、弱く運転しているとき) | 160W | 約5.0円 |
| 定格(標準の条件で運転しているとき) | 470W | 約14.6円 |
| 外気温2℃のとき | 1,040W | 約32.2円 |
| 最大(いちばん強く運転しているとき) | 1,175W | 約36.4円 |
| (参考)シーズン平均 | — | 約5.4円 |
つけ始めの部屋が冷えているときや、外がとても寒い日は、最大に近い電力を使います。外気温2℃のときの消費電力は定格の2倍以上です。一方、部屋が暖まってしまえば最小近くまで下がるので、平均すると1時間約5円に収まります。
このように、運転を始めた直後に電力を多く使うことから、「こまめに消すのとつけっぱなしにするのはどちらが得か」がよく話題になります。どちらが得かは外出する時間や住まいの断熱などで変わるため、この記事では深追いしません。
消費電力(W)から1時間の電気代を出す早見表
エアコンの表示やワットチェッカー(消費電力を測る機器)で消費電力が分かれば、1時間の電気代は「W数÷1,000×31円」ですぐに出せます。
電気代の計算式は、どの家電でも同じだからです。よく見かける消費電力ごとの電気代は次のとおりです。
| 消費電力 | 1時間の電気代 | 8時間の電気代 |
|---|---|---|
| 500W | 約15.5円 | 約124円 |
| 600W | 約18.6円 | 約149円 |
| 700W | 約21.7円 | 約174円 |
| 800W | 約24.8円 | 約198円 |
| 900W | 約27.9円 | 約223円 |
| 1,000W | 約31.0円 | 約248円 |
ただし、エアコンの消費電力は運転中に変わり続けるので、ある瞬間のW数がずっと続くわけではありません。たとえば「600Wと表示されているから8時間で約149円」とはならず、部屋が暖まれば実際にはもっと安くなります。1日や1ヶ月の電気代を知りたいときは、前の見出しの期間消費電力量から出した目安を参考にしてください。
設定温度や冷房との比較でエアコン暖房の電気代はどう変わる?
設定温度別(18℃・20℃・22℃)の暖房の電気代の目安
暖房の設定温度を1℃下げると、電気代はおよそ1割安くなるのが目安です。
設定温度が低いほど、外の寒さとの差が小さくなり、エアコンが運ぶ熱が少なくて済むからです。三菱電機は「一般的に、設定温度が1℃違うとエアコンの省エネ性は約10%向上」とし、パナソニックも設定温度を1℃下げると消費電力を約10%削減できるとしています。また資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、外気温6℃のときにエアコン(2.2kW)の暖房の設定温度を21℃から20℃にすると(1日9時間使用)、年間で53.08kWh、約1,650円の節約になると試算しています。
この「1℃で約10%」を、設定温度20℃で試算された期間消費電力量にあてはめると、1ヶ月の電気代の目安は次のようになります。
| 設定温度 | 6畳 | 10畳 | 14畳 |
|---|---|---|---|
| 18℃ | 約2,330円 | 約3,010円 | 約5,070円 |
| 19℃ | 約2,630円 | 約3,380円 | 約5,700円 |
| 20℃ | 約2,920円 | 約3,760円 | 約6,340円 |
| 21℃ | 約3,210円 | 約4,140円 | 約6,970円 |
| 22℃ | 約3,500円 | 約4,510円 | 約7,600円 |
「1℃で約10%」はあくまで目安で、実際にどれだけ変わるかは外気温や部屋の断熱性によって違います。それでも、22℃と18℃では1ヶ月の電気代に約1.5倍の差が出る計算です。設定温度を27℃や30℃のように高くするほど、エアコンは最大に近い電力で運転する時間が長くなり、電気代はさらに上がります。
何度に設定すればよいかは、暖房の設定温度は何度がいい?で詳しく解説しています。寒さを我慢して設定温度を下げすぎないようにしてください。
暖房と冷房はどっちが電気代が高い?
エアコンの電気代は、冷房より暖房のほうが高くなります。同じエアコンで比べると、ひと冬の暖房の電気代は、ひと夏の冷房の約2.2〜2.5倍です。
エアコンの仕様表には、暖房と冷房それぞれの期間消費電力量が分けて書かれているので、同じ条件で比べることができます。日立 Dシリーズの数値で比べると次のとおりです。
| 部屋の広さ | 暖房(1時間/ひと冬) | 冷房(1時間/ひと夏) | 暖房÷冷房 |
|---|---|---|---|
| 6畳 | 約5.4円/約15,562円 | 約2.7円/約6,665円 | 約2.3倍 |
| 10畳 | 約7.0円/約20,057円 | 約3.6円/約8,742円 | 約2.3倍 |
| 14畳 | 約11.7円/約33,790円 | 約5.8円/約14,074円 | 約2.4倍 |
| 18畳 | 約15.7円/約45,198円 | 約8.4円/約20,460円 | 約2.2倍 |
暖房は冷房より使う期間が長いことに加え、1時間あたりで比べても約2倍かかっています。三菱電機も、暖房運転は冷房運転よりも電気代がかかるとしています。「夏はエアコンをつけっぱなしでも平気だったのに、冬は電気代が高い」と感じるのはこのためです。
暖房のほうが冷房より電気代が高くなる理由

暖房のほうが電気代が高くなるのは、冬のほうが外の気温と部屋の設定温度の差が大きいからです。
エアコンは、冷房では部屋の熱を外へ、暖房では外の空気の熱を部屋へ運ぶ「ヒートポンプ」という仕組みで動いています。三菱電機の説明によると、冷房と暖房で電気代が違うのは室温と外気温の温度差が違うからで、この温度差が大きいほどエネルギーが必要になります。
三菱電機が挙げるこの例では、冬の温度差は夏の2倍近くあります。さらに冬は、外の空気が冷たいほど熱を集めにくくなり、日立の仕様表でも外気温2℃のときの暖房の消費電力は定格の2倍以上になっています。寒い地域や冷え込む日ほど、暖房の電気代は高くなると考えておきましょう。
エアコン暖房の電気代を抑えるコツ
室温20℃を目安にし、使わない時間は暖房を止める
暖房の電気代を抑えるいちばんの基本は、室温を20℃を目安にすることと、必要のない時間は暖房を止めることです。
この2つは、国が具体的な節約額を示している方法だからです。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、冬の暖房時の室温は20℃を目安にするよう呼びかけていて、次のような試算を出しています。
ただし、寒さを我慢しすぎると体調をくずすおそれがあります。設定温度を下げるときは、重ね着やひざ掛けなどで体感温度を補いましょう。足元だけを温めたいときは、ホットカーペットや電気毛布と組み合わせる方法もあります。それぞれの電気代はホットカーペットの電気代、電気毛布の電気代で紹介しています。
エアフィルターをこまめに掃除する
エアフィルターの掃除は、手軽にできて効果の大きい節約方法です。
フィルターにほこりがたまると空気が通りにくくなり、同じだけ暖めるのに余分な電力を使うからです。各機関・メーカーは次のように説明しています。
数値は条件によって違いますが、どれも「掃除しないと電気代が上がる」という点では同じです。お手入れの方法や頻度は、お使いの機種の取扱説明書で確認しておきましょう。
風向きは下向きにし、暖かい空気を逃がさない
同じ設定温度でも、暖かい空気を足元に届け、部屋から逃がさない工夫をすると、エアコンの負担を減らせます。
暖かい空気は天井のほうにたまりやすく、窓やドアからは冷気が入ってくるからです。省エネポータルサイトでは、暖房時の工夫として次の点を挙げています。
エアコンの風向きは、下向きか「自動」にして温風を床に届けるのが基本です。詳しくはエアコン暖房の風向きの記事で、サーキュレーターで暖かい空気を循環させる方法は暖房のサーキュレーターの置き方で紹介しています。なお、省エネポータルサイトも呼びかけているとおり、暖房中も適宜換気をしてください。
エアコン暖房の電気代についてよくある質問
暖房を8時間つけると電気代はいくら?
6畳用のエアコンなら約43円、10畳用なら約56円、14畳用なら約94円が目安です。日立 Dシリーズの期間消費電力量から出したシーズン平均の1時間あたりの電気代(6畳約5.4円・10畳約7.0円・14畳約11.7円)に8をかけて計算しています。寝ている間や外出中など部屋が暖まったあとの時間が多ければ安く、冷え込む日や部屋を暖め始めた直後は高くなります。
エアコン暖房を1日中つけると電気代はいくら?
6畳用で18時間使った場合は約97円、24時間なら約130円が目安です(1時間約5.4円で計算)。ただし、期間消費電力量は6時〜24時の18時間使う条件で試算されているので、深夜の運転を含む24時間の値は、外気温が下がる分だけ実際には高くなる可能性があります。
冷房・暖房・除湿で電気代はどう違う?
冷房と暖房では、暖房のほうが高く、同じエアコンで1時間あたり約2倍、シーズン全体では約2.2〜2.5倍かかります(日立 Dシリーズの期間消費電力量で比較)。除湿については、仕様表の期間消費電力量が冷房と暖房の分しか示されていないため、この記事では比較していません。
新しい省エネエアコンにすると暖房の電気代は下がる?
同じ畳数でも、省エネ性能の高いモデルほど暖房の電気代は安くなります。パナソニックの公式ページによると、2026年モデルの14畳用では、ひと冬の暖房の電気代がXシリーズで約33,046円、Jシリーズで約47,864円です。買い替えを考えるときは、仕様表の「暖房時期間消費電力量」を比べると、暖房の電気代の差が分かりやすくなります。
まとめ:エアコン暖房の電気代は6畳で1時間約5円、冷房の2倍以上が目安
エアコン暖房の電気代は、6畳用で1時間約5.4円、1日(18時間)約97円、1ヶ月約2,900円が目安です。10畳用は1ヶ月約3,800円、14畳用は約6,300円と、部屋が広くなるほど高くなります。いずれも設定温度20℃、31円/kWhで、メーカーの仕様表の期間消費電力量から計算した平均値です。
運転中の消費電力は一定ではなく、6畳用でも1時間約5円から約36円まで変わります。つけ始めや冷え込む日ほど電力を多く使い、外の気温と設定温度の差が大きい冬は、同じエアコンでも冷房の2倍以上の電気代がかかります。
電気代を抑えるには、室温20℃を目安に設定温度を上げすぎないこと(1℃でおよそ1割が目安)、使わない時間は止めること、フィルターをこまめに掃除すること、風向きを下向きにして暖かい空気を逃がさないことが効果的です。寒さを無理に我慢せず、重ね着などと組み合わせて上手に暖房を使いましょう。


