アウトドアや災害時の備えとして、ポータブル電源の需要が高まっています。
また、家庭のバックアップ電源としても、活用の場が広がっています。
その中で、「ポータブル電源で炊飯器が使えるのか?」という疑問をよく耳にします。
この記事では、ポータブル電源と炊飯器の組み合わせの可能性、実用性、そして注意点について詳しく解説します。
ポータブル電源で炊飯器が使えるのか?
結論から言うと、ポータブル電源で炊飯器が使えます。
ただし、稼働させるのにポータブル電源の定格出力(W)と蓄電容量(Wh)が対応している必要があります。
基本的な確認方法を見ていきましょう。
ポータブル電源と炊飯器の容量と出力(使えるかの判断基準)
ポータブル電源は、リチウムイオンバッテリーを内蔵した携帯可能な電源装置です。
容量はWh(ワットアワー)で、出力はW(ワット)で表されます。
一方、
一般的な炊飯器の消費電力は500W〜1300W程度で、炊飯時には特に大きな電力を必要とします。
お持ちの炊飯器のどこかに定格ラベルがついていると思いますのでご確認ください。
例えば以下のように
定格消費電力が目安の数字となります。
ご飯が炊けるのに何分かかるかがわかれば、必要な容量もわかります。
だいたい、1時間もかからないと思います。
以下の計算式よりも、、ポータブル電源の容量が多ければ、お手持ちの炊飯器は十分使えます。
必要容量(Wh)= 定格電力 x 炊けるまでの時間(h)
分かりやすく定格電力での計算をお伝えしました。
実際には、消費される電力はそれより少ないので、計算よりある程度余裕があると考えて良いです。
「1000Whクラスのポータブル電源」なら「一般的な家庭の炊飯器」に対して、ほとんどの機種が対応できます。(業務用の大型炊飯器は、もう少し出力の高いポータブル電源が必要になります。)
ソロキャンプ用の小型炊飯器なら、2合炊きぐらいの製品で消費電力はたった300W、一回当たりの炊飯時消費電力量は80Whです。
もっと安価で小容量のポータブル電源でも十分対応できます。
ポータブル電源と炊飯器の利用シーン
「ポータブル電源で炊飯器が使えるのか?」と疑問に思った方は、以下の利用シーンの何れかを期待しているのでは、ないでしょうか?
それ以外にも様々なシーンで活用できます。
アウトドア・キャンプ
- キャンプ場で本格的な炊き立てご飯を楽しむ
- 山小屋やグランピング施設での利用
施設のコンセントの近くでなくてもご飯が炊けます。
車中泊・キャンピングカー
- 長距離ドライブ中の休憩時に温かい食事を準備
- キャンピングカーの調理設備として活用
- バンライフによる車内生活
車内生活と言う意味では、キャンピングカーとバンライフ似ていますが、車の構造や生活スタイルが違いますので、あえて個別に上げました。
違いについては、以下の記事にまとめています。
災害時・緊急時の備え
- 停電時に温かい食事を確保
- 避難所での炊き出し支援
イベント・屋外フェスティバル
- 屋外イベントでの飲食ブース運営
- 移動式の食事提供サービス
釣り・海水浴
- 釣り場や浜辺で獲れたての魚と一緒に炊き立てご飯を楽しむ
- ビーチパーティーでの調理設備として利用
農作業・畑仕事
- 遠隔地の農地での作業中に温かい食事を準備
- 収穫祭などのイベントでの炊飯
工事現場・建設現場
- 電源が確保しにくい現場での作業員の食事準備
- 仮設事務所での調理設備として
写真・映像撮影
- ロケ地での撮影スタッフの食事準備
- 長時間の野外撮影セッション中の食事確保
野外研究・フィールドワーク
- 研究キャンプでの食事準備
- 長期の野外調査中の炊飯
エコ住宅・オフグリッド生活
- 太陽光発電システムと組み合わせて日常的に使用
- エネルギー自給自足ライフスタイルの一部として
メリットとデメリット
思っていた以上に使えるシーンがあると感じていただけたでしょうか?
ここで、幅広い用途のメリットだけでなく、他のメリットやデメリットも整理しておきましょう。
メリット:
- 場所を選ばず炊飯ができる
- 災害時に温かい食事を確保できる
デメリット:
- 初期投資のコストが高い
- ポータブル電源の重量
- 充電に時間がかかる
購入価格、重量、充電時間などは、購入前に確認し理解した上でポータブル電源をご検討ください。
特に、「重さ」は写真で見ている以上に重かったりします。
おすすめの炊飯器とポータブル電源
アウトドア、車中泊、キャンプ用(1~2人)
AONCIA
最大2合のお米が炊け、1合と0.5合もおいしく炊ける炊飯器です。
他に、炊込み、おかゆ、保温、蒸し料理に最適化したメニューがプリセットされています。
- 最大炊飯量:2合
- 入力電圧:AC100V
- 消費電力:310W
- 本体重量:2.3kg
いつものECサイトでチェックする
ジェーピーエヌ(JPN) タケルくん DC12V専用 車載用炊飯器 直流家
直流電気(DC12V)で炊飯する為に様々な工夫が施されたポータブル炊飯器となります。
軽量で持ち運びやすい設計になっています。
- 最大炊飯量:1.5合
- 入力電圧:DC12V
- 消費電力:110~120W
- 本体重量:592g
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MITORI 2段式 高速弁当箱炊飯器 0.5-1.5合 ひとり暮らし、ソロキャンプ用
スタイリッシュな弁当箱炊飯器です。
2段式で「お米」と「おかず」が同時に調理できてお料理の手間が省けます。
- 最大炊飯量:1.5合
- 入力電圧:AC100V
- 消費電力:700 W
- 本体重量:1.29Kg
いつものECサイトでチェックする
これらの炊飯器の稼働させるのに500Wh~1000Wh以下の容量のポータブル電源でも稼働するだけのスペックは十分あります。
ファミリー・自宅用
象印マホービン(ZOJIRUSHI) 炊飯器 5.5合 NW-CB10
「豪熱大火力」採用の圧力IH炊飯ジャー5.5合です。
米だけでなく、玄米や雑穀米、炊き込みご飯など多彩なメニューに対応し、家族が求めていた食感になる炊飯器
- 最大炊飯量:5.5合
- 入力電圧:AC100V
- 消費電力:1240W
- 本体重量:6 kg
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タイガー魔法瓶(TIGER) 炊飯器 5.5合 JBH-G101W
炊飯容量:5.5合炊き(最大炊飯容量:1.0L)
省スチーム30%カット「エコ炊きメニュー」
「エコ炊きメニュー」は電気代を賢くおさえながら炊きあげる標準メニュー。
価格も安価で手が届きやすモデルです。
- 最大炊飯量:5.5合
- 入力電圧:AC100V
- 消費電力:635W
- 本体重量:3.0Kg
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象印 炊飯器 5.5合 IH式 黒まる厚釜 ブラック STAN. NW-SA10
強火で炊き続けることで、お米のうまみを引き出すIH炊飯ジャーです。
おいしく炊きあがるだけでなく、スタイリッシュでキッチンの景観もオシャレに決めてくれます。
ブラックとホワイトの2カラーあります。
- 最大炊飯量:5.5合
- 入力電圧:AC100V
- 消費電力:1115 W
- 本体重量:4.98Kg
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これらの炊飯器を稼働させるには、1000Wh~2000Whのポータブル電源で稼働させる事はできます。
他の家電と同時に使いたい
同時に多くの家電(特に加熱する調理機器)を稼働させたいのであれば、もう1ランク高容量の電源を買っておくと安心して同時使用できます。
ちなみに
一般家庭で4人家族が電力会社と契約するブレーカーのアンペア数は、40~50アンペアが目安です。
アンペア数は、家族構成や建物のサイズ、使用する電化製品の種類などによって異なります。
たとえば、エアコンを使う部屋が複数あり、IHクッキングヒーターなどを同時によく使う場合は40アンペアぐらいです。
ワット数に変えるとおよそ
40(A) x 100(V) = 4000(W)
つまり、定格出力がこれぐらい出力できるポータブル電源なら、家庭と同じように使えます。
ただし、容量(Wh)をどれくらいかによって使える時間がかわります。
ポータブル電源で炊飯器を使用する際の注意点
- 電力容量の確認:使用する炊飯器の消費電力と炊飯時間から、必要な電力容量を計算しておく。
- インバーター機能:炊飯器は交流電源を使用するため、DC-ACインバーター機能付きのポータブル電源が必要です。(AC100Vのポートがあるか確認)
- 安全性:過負荷保護などの安全機能が搭載されているか確認しましょう。
まとめ
ポータブル電源で炊飯器を使用することは可能ですが、適切な容量と出力を持つ製品を選ぶことが重要です。
技術の発展により、今後さらに使いやすい製品が登場することが期待されます。
アウトドア愛好家や防災意識の高い方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。