ポータブル電源は、アウトドアやキャンプ、災害時の非常用電源として幅広く活用されています。
しかし、「ポータブル電源でドライヤーを使えるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、ポータブル電源でドライヤーを使用する際の課題や、おすすめの製品、注意点、さらには代替案まで詳しく解説します。
ポータブル電源でドライヤーは使えないのか?
結論から言うと、条件さえ合えばポータブル電源でドライヤーが使えます。
ポータブル電源でドライヤーが使えない多くの理由として、以下の原因が考えられます。
- 一般的なドライヤーの消費電力:ドライヤーは電化製品の中でも、特に消費電力が高く、一般的に 1000W〜1200Wぐらい、パワーの強い製品で1500W 程度の電力を必要とします。
- ポータブル電源の出力限界:ポータブル電源のモデルによっては、出力が 1000W 以下であり、ドライヤーの高い消費電力に対応できない場合があります。
このどちらかの問題を解決すれば、ほとんどのドライヤーは使えます。
ドライヤーを使用できるポータブル電源の条件
ポータブル電源でドライヤーを使うのに、必要な条件をもう少し詳しく説明します。
以下の条件になります。
- 必要な出力ワット数
- バッテリー容量の考慮(使用時間に影響)
- 純正弦波インバーターの重要性
必要な出力ワット数
ドライヤーを使用するためには、ポータブル電源の出力が少なくともドライヤーの消費電力以上必要です。
つまり、1000W以上の出力 が求められます。
蓄電容量が1000(Wh)以上のポータブル電源であれば、1500W以上の出力に対応しているポータブル電源が多く、家庭用のドライヤーでも使えます。
ポータブル電源の出力を確認する場合は、商品の詳細ページや取扱説明書などで、仕様情報から「定格出力」の値を確認してください。
定格出力は、メーカーが一定時間その出力で動作テストし、問題なく動作した合格の基準値です。
ドライヤーに限らず、使いたい家電が稼働するかチェックする時は、ポータブル電源の定格出力を確認しておく事が大切です。
以下の記事に蓄電容量が1000(Wh)以上のおすすめポータブル電源をまとめました。
すでに、ポータブル電源を所有していて、ドライヤーの出力に対応できない場合は、
消費電力が少ないドライヤーを新たに購入するのが良いです。
ポータブル電源を買い換えるよりは安価ですみます。
これにより、「ポータブル電源でドライヤー使用」を実現できます。
ただし、
ドライヤーの出力が少ないと言う事はパワーが弱く、普段使っているドライヤーより快適性を失う事になります。
バッテリー容量の考慮
高出力であるほど、ポータブル電源のバッテリー消耗が激しくなります。
連続使用時間を延ばすためには、大容量のバッテリー を備えたポータブル電源を選ぶことが重要です。
ドライヤーで髪を乾かす時間は15分ぐらいです。
「ドライヤーを使うだけ」でなら、ご紹介するポータブル電源は容量が足りるので、ほぼ問題ないです。
他にも、たくさんの家電を使用する場合は、少し余裕を見ておいた方が良いです。
消費電力量を見積もって、ポータブル電源を購入するなら、以下の記事を参考にしてください。
一度の充電で、自分にとって必要な容量が見積もれます。
ちなみに、他の家電の消費電力の目安は以下の記事にまとめました。
アウトドアなどのシーンで、家電の出力(W)を稼働時間(h)について、各家電ごとに計算すれば必要な容量が見積もれます。
純正弦波インバーターの重要性
家電によっては、精密機器を安全に動作させるためには、純正弦波インバーター を搭載したポータブル電源が必要です。
「家のコンセントから供給される電力の性質」と同じように再現するしくみと考えていただければ、良いです。
これにより、機器へのダメージや誤作動を防ぐことができます。
何か精密な制御(温度管理や風量)をするような高機能のドライヤーがあれば気にした方がよいかもしれません。
ただ、普通のドライヤーは精密機器ではないので、多くの製品は気にする事はないです。
また、
ポータブル電源のほとんどのモデルが、ほぼ純正弦波インバーター を搭載しています。
もし、ポータブル電源でドライヤーが動かなかった原因のチェック項目ぐらいに思ってください。
おすすめのポータブル電源製品紹介
高出力モデル(1000W以上)の例
Jackery 1000 new
本製品は、1000~1500Whクラスで最軽量の10.8kgを実現しました。
製品設計の見直しにより、全体の体積を20%、外殻の重量を31%削減しています。
折りたたみ式ハンドルとフラットな上面設計で収納性も抜群です。
Anker Solix C1000
家庭のバックアップ電源やアウトドア活動、緊急時に最適な高性能ポータブル電源です。
この製品は、1056Whの大容量バッテリーを搭載し、リン酸鉄リチウムイオン電池を使用しており、3000回の充放電サイクルを誇ります。
急速充電技術により、わずか58分で100%充電が可能で、業界初の1時間を切る充電スピードを実現しています。
YOSHINO B2000 SST
YOSHINOのポータブル電源 B2000 SSTは、固体電解質技術を採用した高性能で安全な世界発の固体電池を搭載しています。
1326Whの大容量と定格出力2000W、最大4000Wの高出力を誇り、家庭用電化製品やキャンプ、災害時の電力供給に最適です。
11個の出力ポートを備え、複数のデバイスに同時に電力を供給可能です。
また、約45分で80%まで充電できる高速充電機能も特徴です。
中程度の出力(500-1000W)の製品
中程度のポータブル電源は以下のポータブル電源は以下の記事にまとめました。
このクラスのポータブル電源で家庭のドライヤーを稼働させるのは難しくなりますので、次に対応できるドライヤーを紹介します。
1000Wより低出力のポータブル電源でも使えるおすすめのドライヤー
mod’s hair(モッズヘア) MHD-1233-W
コンパクト軽量で外出に持ち運びやすい。
消費電力:620‐900W
AC100Vのコンセントがついている中程度のポータブル電源でも稼働可能。
いつものECサイトでチェックする
コイズミ KHD-9730 W ミニドライヤー
手のひらサイズのドライヤーで重さはたったの230g
消費電力:700W
AC100Vのコンセントがついている中程度のポータブル電源でも稼働可能。
いつものECサイトでチェックする
モノクローム(Monochrome) コイズミ KHD-1385/W
TURBO-HIGH-LOWの3モード切替が可能です。
消費電力:600‐1200W
600Wのモードで使用すれば、AC100Vのコンセントがついている中程度のポータブル電源でも稼働可能。
いつものECサイトでチェックする
代替案の検討
外出先でドライヤーを使うための代替え案として、「充電機能が付いたコードレスドライヤー」が考えられます。
1000Wh以下のポータブル電源でも充電さえできれば使えます。
そもそも、家で充電してから外出すればポータブル電源がなくても良いのです。
ただし、
以下のような懸念事項があります。
- パワー不足:なかなか髪が乾かない。
- 重い:バッテリーを内蔵するため、ドライヤーが重くなり手が疲れる
実際に、レビューで同様の声が、多くの製品から確認できます。
快適に過ごすのであれば、使い慣れたいつものドライヤーを使えるようにするのがベストでしょう。
ポータブル電源に接続してドライヤー使用する時の注意点
ポータブル電源でドライヤーをするにあたり、注意するべき事として3点挙げました。
- 使用時間の制限
- 安全性の確保
- バッテリー消耗への対策
使用時間の制限
高出力のドライヤーを使用すると、バッテリーの容量が急速に消耗します。
連続使用時間を短くし、バッテリー残量を時々確認しながらドライヤーを使用しましょう。
安全性の確保
安全に使うために、以下の3点に注意してください。
- 過負荷防止:定格出力を超える機器を接続しない。
- 適切な環境での使用:高温多湿や直射日光を避ける。
- 定期的なメンテナンス:接続部の緩みやケーブルの損傷がないか確認。
「試しにポータブル電源を使ってみたら動かいた」と言う事で、使っているとしばらくして故障してしまったなんて事もありえます。
ポータブル電源について、定格範囲内で使用する事と管理方法をしっかり守れば、安全にご利用いただけます。
バッテリー消耗への対策
必須では無ありませんが、「容量不足の不安」に対して、以下の2点が対策として考えておく事が大切です。
- ソーラーパネルでの充電
- 大容量予備バッテリーの準備
太陽光を利用してバッテリーを充電し、持続的な電源供給を確保する。
または、
大容量の予備バッテリーを接続し、容量に余裕を持たせる事が考えられます。
「ソーラーパネル」や「予備バッテリー」を別途購入すると購入費も高くつきます。自身の予算に合わせてご検討ください。
使用回数と時間が少ないのであれば、そこまでしなくても、1回の充電で十分です。
まとめ
ポータブル電源でドライヤーを使用するには、1000Wh 以上のポータブル電源 がおすすめです。
ポータブル電源は、純正弦波インバーター搭載モデルなら、精密な機能を実装した家電でも問題なく稼働します。
安全に使用するためには、過負荷や設置場所に注意を払いましょう。
適切な製品選びと安全対策で実現可能です。
自分のニーズを満たせる仕様のポータブル電源を選び、快適な「アウトドアライフ」や「非常時の備え」に役立ててください。