電気ヒーター・電気ストーブの電気代は、消費電力が1,000Wなら1時間約31円、600Wなら約18.6円、300Wなら約9.3円です。種類が違っても同じワット数なら電気代は同じなので、「何Wで何時間使うか」を知れば、手持ちのヒーターの電気代はすぐに計算できます。
この記事では、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhを使い、電気ヒーターの電気代をW数別(250W〜1,500W)と種類別(セラミックファンヒーター・ハロゲン・カーボン・グラファイト・シーズ・オイルヒーター・パネルヒーター)に、1時間・1日8時間・1ヶ月の金額で一覧にしました。種類別の数値は各メーカーの公式仕様から計算しています。あわせて、オイルヒーターの電気代が「最大値での計算」より下がる理由と、メーカーや資源エネルギー庁の情報をもとにした電気代を安くするコツも紹介します。
電気ヒーター・電気ストーブの電気代の計算方法とW数別の目安
電気代は「消費電力(kW)×時間×31円」で計算する
電気ヒーターの電気代は、「消費電力(kW)×使った時間(h)×31円」で計算できます。
31円は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電力料金の目安単価(1kWhあたり31円・税込、2022年7月22日改定)で、家電のカタログや仕様表の電気代もこの単価で計算されているからです。消費電力は、ヒーターが1時間あたりに使う電気の量を表す数字で、本体の銘板や取扱説明書、メーカーの仕様表に「1,000W」「900〜350W」のように書かれています。W(ワット)をkW(キロワット)にするには1,000で割ります。
強・弱が切り替えられるヒーターは、仕様表に段階ごとの消費電力が載っているので、ふだん使う段階の数字で計算しましょう。セラミックファンヒーターなどは、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で消費電力が少し違う製品もあります。たとえばパナソニックの DS-FAS1200 は、強が50Hzで1,150W・60Hzで1,100Wです(仕様表)。
W数別の電気代早見表(1時間・1日8時間・1ヶ月)
電気ヒーターの電気代は、100Wあたり1時間約3.1円と覚えておくと、W数からすぐに見当をつけられます。
電気ヒーターは電気をそのまま熱に変える器具なので、その出力で使い続けるかぎり、電気代は消費電力に比例するからです。よく使われるW数ごとに、1時間・1日8時間・1ヶ月(1日8時間×30日)の電気代をまとめると次のとおりです。
| 消費電力 | 1時間 | 1日8時間 | 1ヶ月(8時間×30日) |
|---|---|---|---|
| 250W | 約7.8円 | 約62円 | 約1,870円 |
| 300W | 約9.3円 | 約74円 | 約2,230円 |
| 400W | 約12.4円 | 約99円 | 約2,980円 |
| 500W | 約15.5円 | 約124円 | 約3,720円 |
| 600W | 約18.6円 | 約149円 | 約4,460円 |
| 800W | 約24.8円 | 約198円 | 約5,950円 |
| 900W | 約27.9円 | 約223円 | 約6,700円 |
| 1,000W | 約31.0円 | 約248円 | 約7,440円 |
| 1,200W | 約37.2円 | 約298円 | 約8,930円 |
| 1,500W | 約46.5円 | 約372円 | 約11,160円 |
同じ1日8時間でも、1,200Wで使うと1ヶ月約8,930円、600Wに下げると約4,460円と、ちょうど半分になります。電気ストーブのように選んだ出力のまま運転する器具は、出力の段階を1つ下げるだけで電気代がはっきり変わります。
電気ヒーターの消費電力はどのくらい?種類ごとのW数の目安

この記事で取り上げた代表的な電気ヒーターでは、最大の消費電力が900〜1,500W、弱い段階が250〜640Wでした。
多くの製品は強・弱などの段階で出力を切り替えられ、どの段階を使うかで消費電力が大きく変わるからです。各メーカーの現行製品の消費電力を種類ごとに並べると、次のようになります。
「小型だから電気代が安い」と見た目で判断せず、消費電力の数字で確かめましょう。電気代を決めるのは本体の大きさではなく消費電力です。購入前や手持ちの製品を確かめるときは、仕様表の「消費電力」の欄で強と弱の両方を見ておくと、電気代の見当がつけやすくなります。種類ごとの暖まり方の違いは電気ヒーターの種類と違いで解説しています。
種類別の電気ヒーターの電気代(代表機種の公式仕様で計算)
種類別の電気代一覧(強・弱の1時間・1日8時間・1ヶ月)
代表的な製品で比べると、強で1時間使ったときの電気代は、カーボンヒーター(900W)の約27.9円からオイルヒーター(1,500W)の約46.5円まで、弱なら約7.8〜19.8円です。
種類ごとの差は、主に最大の消費電力と、弱をどこまで下げられるかの違いから生まれます。各メーカーが公表している消費電力(または電気代)をもとに、強と弱それぞれで計算すると次のとおりです。
| 種類(製品・消費電力) | 1時間(強/弱) | 1日8時間(強/弱) | 1ヶ月(強/弱) |
|---|---|---|---|
| グラファイト(アラジン AEH-G1000B・1,000〜250W) | 約31.0円/約7.8円 | 約248円/約62円 | 約7,440円/約1,870円 |
| カーボン(コロナ DH-C926・900〜350W) | 約27.9円/約10.9円 | 約223円/約87円 | 約6,700円/約2,620円 |
| ハロゲン(日立 HLH-HS307・1,000〜330W) | 約31.0円/約10.2円 | 約248円/約82円 | 約7,440円/約2,450円 |
| シーズ(コロナ DH-1226R・1,150〜330W) | 約35.7円/約10.2円 | 約286円/約82円 | 約8,570円/約2,450円 |
| セラミックファンヒーター 小型(パナソニック DS-FB500・500/350W) | 約15.5円/約10.9円 | 約124円/約87円 | 約3,720円/約2,620円 |
| セラミックファンヒーター(パナソニック DS-FAS1200・1,150/640W) | 約35.7円/約19.8円 | 約286円/約158円 | 約8,570円/約4,750円 |
| パネルヒーター(トヨトミ EPH-N12・1,200〜300W) | 約37.2円/約9.3円 | 約298円/約74円 | 約8,930円/約2,230円 |
| オイルヒーター(デロンギ RHJ21F1015・1,500〜600W) | 約46.5円/約18.6円 | 約372円/約149円 | 約11,160円/約4,460円 |
表の「強」の列はどれも1時間30円前後で、種類による差よりも、何Wの段階で使うかの差のほうが大きいことがわかります。いっぽう「弱」の列を見ると、グラファイト(250W)やパネルヒーター(1枚・300W)のように低い出力まで下げられる製品は、弱で使えば1ヶ月2,000円前後に収まります。足元だけを温めるなら、弱い段階でも暖かさを感じやすい輻射タイプ(前にいる人を直接温めるタイプ)を低い出力で使うのが、電気代を抑えやすい使い方です。
オイルヒーター・パネルヒーターは「最大値での計算」:実際の電気代は下がる

上の表のオイルヒーターとパネルヒーターの金額は、最大の出力で運転し続けた場合の上限で、実際の電気代はこれより下がります。
オイルヒーターは、室温を一定に保つサーモスタット(温度で電源を自動で入り切りする装置)を備えていて、部屋が暖まると電源のオン・オフをくり返すからです。デロンギは、サーモスタットで電源がオフになっているあいだは電気代がかからないと説明しています。パネルヒーターも、トヨトミ EPH-N12 のエコモードは設定温度と室温の差に応じて使うパネルの枚数を自動で切り替えます。
メーカーが公表している電気代の目安は次のとおりです。
トヨトミの測定例では、通常運転でも1ヶ月約7,878円と、最大の1,200Wで計算した約8,930円より低く、エコモードではさらに約1,767円下がっています。ただし、どれだけ下がるかは部屋の広さ・断熱・外の気温・設定温度で変わります。デロンギも、実際の電気代は何畳の部屋を何度にするかで決まると説明しています。最大値での計算は「この金額を超えることはない」という上限の目安として使いましょう。
なお、電気ストーブ(ハロゲン・カーボン・グラファイト・シーズ)のように選んだ出力のまま運転する製品は、表の金額がほぼそのまま実際の電気代になります。
電気ヒーターの電気代が高いと感じる理由:エアコンとの違い
電気ヒーターの電気代が「高すぎる」と感じやすいのは、部屋全体を暖める用途ではエアコンより多くの電力を使うからです。
電気ヒーターは電気をそのまま熱に変えますが、エアコンは外の空気の熱を室内へ運ぶ「ヒートポンプ」という仕組みで暖房するため、少ないエネルギーで暖められます(資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)。当サイトが日立の6畳用エアコンの期間消費電力量から計算した、ひと冬の平均の電気代は1時間約5.4円で、強で使う電気ストーブ(1時間約28〜36円)よりかなり安くなります。
電気ヒーターを部屋全体の主な暖房にして長時間使うと、電気代はかさみやすくなります。エアコン暖房の畳数別の電気代はエアコン暖房の電気代、こたつや電気毛布も含めた暖房器具全体の比較は暖房器具の電気代比較で解説しています。
電気ヒーター・電気ストーブの電気代を安くするコツ
出力を下げて使う:弱運転・ゆらぎ運転・エコモード
電気ヒーターの電気代をいちばん確実に下げる方法は、出力を下げて使うことです。
電気ストーブのように選んだ出力で運転する製品は、消費電力がそのまま電気代になるので、段階を下げた分だけ確実に安くなるからです。メーカーも、出力を自動で下げる機能を省エネの手段として用意しています。
つけ始めは強で一気に暖め、体が温まったら弱やゆらぎ運転に切り替えると、寒さを我慢せずに電気代を抑えられます。デロンギは、ちょっと低めの設定温度でも十分暖かく感じられるとして、設定温度を控えめにすることも節電のコツに挙げています。
タイマーと人感センサーで消し忘れ・つけっぱなしを防ぐ

人がいない時間にヒーターが動いているのは、いちばんもったいない電気代です。タイマーや人感センサー(人の動きを検知するセンサー)を使うと、この無駄を自動で減らせます。
電気ストーブやセラミックファンヒーターは、つけっぱなしにすると1時間30円前後ずつ電気代が積み上がるからです。各メーカーは次のような機能で、消し忘れや無駄な運転を防いでいます。
タイマーのない製品もあります。たとえばアラジン AEH-G1000B はタイマーや自動オフタイマーを搭載していません(製品ページの仕様)。こうした製品は、部屋を出るときに必ず電源を切る習慣をつけましょう。また、人感センサーやオートオフはあくまで消し忘れを減らす機能です。外出するときや寝るときは、センサー任せにせず電源を切ってください。
部屋全体ではなく「部分暖房」として使い、熱を逃がさない
電気ストーブやセラミックファンヒーターは、部屋全体を暖める主暖房ではなく、足元や脱衣所など限られた場所を短い時間だけ温める「部分暖房」として使うと、電気代を抑えられます。
電気ストーブは前にいる人を直接温める器具で、部屋全体を暖めるのには向かず、部屋全体を暖めるならヒートポンプのエアコンのほうが少ないエネルギーで済むからです。
エアコンと電気ヒーターをどう組み合わせると安くなるかは暖房器具の電気代比較、場所ごとにどの種類のヒーターが向いているかは電気ヒーターの種類と違いの使い分け表で紹介しています。
節約しながら安全に使うための注意
電気代を節約する工夫をするときも、電気ヒーターは壁のコンセントに直接差して単独で使い、寝るときと外出するときは電源を切りましょう。
電気ヒーターは消費電力が大きく、配線や使い方を誤ると火災につながるからです。NITE(製品評価技術基盤機構)は、2020〜2024年の5年間に報告された暖房器具の事故596件のうち、電気ストーブ・ファンヒーターと石油暖房器具の事故が約8割を占めるとして、シーズン前の点検を呼びかけています。
製品ごとの離す距離や、メーカーによる説明の違いは電気ヒーターの種類と違いの「電気ヒーターを安全に使う5つのポイント」で詳しく紹介しています。
電気ヒーター・電気ストーブの電気代についてよくある質問
電気ヒーターを一日中つけっぱなしにすると電気代はいくら?
その出力で24時間運転し続けた場合、1,200Wなら1日約893円、600Wなら約446円、300Wなら約223円です(1時間の電気代×24時間)。オイルヒーターやパネルヒーターはサーモスタットで入り切りするので実際はこれより下がりますが、電気ストーブは選んだ出力のまま運転するので、ほぼこの金額になります。外出中や就寝中は電源を切るのが安全面でも電気代の面でも基本です。
オイルヒーターは弱で使えば電気代が安くなる?
電気ストーブは弱にした分だけ安くなりますが、オイルヒーターは必ずしもそうとは限りません。デロンギは、出力を自動で選ぶ RHJ35M・RHJ45M について、消費電力を下げて長い時間をかけて設定温度に届くのと、短い時間で設定温度に達してその後オン・オフをくり返すのとでは電気代は変わらず、実際の電気代は何畳の部屋を何度にするかで決まると説明しています(デロンギ よくあるご質問)。オイルヒーターの電気代を下げたいなら、出力の段階よりも設定温度を控えめにすることやタイマーの活用を意識しましょう。
電気ヒーターで一番電気代が安い種類は?
同じワット数で同じ時間使えば、電気代は種類に関係なく同じです。安く使うには、低い出力まで下げられる製品を選び、体を直接温める輻射タイプを足元で弱にして使うのが効果的です。たとえばアラジン AEH-G1000B の250Wなら1時間約7.8円、トヨトミ EPH-N12 のパネル1枚(300W)なら約9.3円です。種類ごとの暖まり方の違いは電気ヒーターの種類と違いを参考にしてください。
コンセントに差したままだと待機電力はかかる?
タイマーや表示パネルのある製品は、電源を切っていても少し電気を使います。デロンギによると、オイルヒーターの待機電力は機種によって約0.1〜2.1Wで、タイマー機能のない機種では発生しません。コロナ コアヒート DH-1226R の待機時消費電力は0.5Wです。31円/kWhで計算すると、0.5Wなら1ヶ月(30日)約11円、2.1Wでも約47円とわずかですが、シーズンオフや長く使わないときは電源プラグを抜いておくと安心です。
まとめ:電気ヒーター・電気ストーブの電気代はW数と使い方で決まる
電気ヒーター・電気ストーブの電気代は、「消費電力(kW)×時間×31円」で計算でき、100Wあたり1時間約3.1円が目安です。1,200Wなら1時間約37.2円・1日8時間で1ヶ月約8,930円、600Wなら1時間約18.6円・1ヶ月約4,460円になります。
種類別に見ると、強で使えばどれも1時間約28〜47円で、差を生むのは種類よりも使う出力の段階です。オイルヒーターやパネルヒーターはサーモスタットやエコモードで入り切りするため、最大値で計算した金額は上限の目安で、実際の電気代はそれより下がります。
電気代を抑えるには、弱運転やゆらぎ運転・エコモードで出力を下げる、タイマーや人感センサーでつけっぱなしを防ぐ、部屋全体はエアコンに任せて電気ヒーターは足元などの部分暖房に使う、の3つが効果的です。節約しながらも、壁のコンセントに単独で差す、寝るときと外出時は電源を切る、燃えやすい物から離すことを守って安全に使いましょう。


