リモコンや電子辞書、車のスマートキーなど、私たちの身の回りには「ボタン電池」が使われている製品がたくさんありますよね。
電池交換をしようとお店に行くと、「CR2025」と「CR2032」という、よく似た型番の電池が並んでいて、「一体何が違うんだろう?」「どっちを買えば良いんだ?」と迷った経験はありませんか?
この記事では、電池に詳しくない方でもすぐに理解できるように、この2つの違いと、知っておくべき「互換性」について分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- CR2025とCR2032の違い(サイズ・容量・用途)
- 厚みの差が互換性にどのように影響するか
- 代用できる場合とできない場合の注意点
- それぞれの電池がよく使われる機器の例
- 日産やマツダなどスマートキーでの採用状況
- 100均(ダイソー・セリア)や家電量販店での購入可否と品質の考え方
- よくある質問(寿命・電圧・廃棄方法 など)
ボタン電池のCR2025とCR2032の違い?その差異を知りたい
外観:CR2025とCR2032の厚み違い
結論から言うと、この2つのボタン電池の「厚み」が違います。


見た目はほぼ同じ、直径20mmの丸い形をしていますが、横から見るとその差は一目瞭然です。
たった0.7mmの違いですが、この差がとても重要なんです。
電池の型番は、実はそれぞれの電池の特徴を表しています。
- 「CR」:リチウムコイン電池という電池の種類
- 「20」:直径が20mm
- 「25」または「32」:厚みがそれぞれ2.5mmまたは3.2mm
つまり、この数字を見れば、その電池がどのくらいのサイズなのかがすぐにわかるようになっています。
項目 | CR2025 | CR2032 |
---|---|---|
直径 | 20mm | 20mm |
厚み | 2.5mm | 3.2mm |
容量 | 小さい | 大きい |
互換性 | 基本的に無し | 基本的に無し |
【CR2025 vs CR2032】見た目だけじゃない!2つの電池の重要な違い
厚みが違うことで、もう一つ重要な違いが生まれます。
それは「電池の容量(パワーの量)」です。
CR2032はCR2025よりも厚みがある分、より多くの電力を蓄えることができます。
例えるなら、CR2032はCR2025よりも「少し容量が大きいモバイルバッテリー」のようなイメージです。
そのため、CR2032の方が、より長時間にわたって機器を動かすことができます。
- CR2025の容量: 約160mAh
- CR2032の容量: 約225mAh
消費電力の少ない機器ではあまり違いを感じないかもしれませんが、スマートキーのように常時微弱な電力を消費するような機器では、電池の持ちに大きな差が出てくることがあります。
CR2032とCR2025の電池寿命の違い
CR2032とCR2025の電池の寿命は、主に使い方と機器の種類によって大きく異なります。
保管寿命の目安
まず、未使用の状態で保管した場合の寿命は、両者とも約10年が目安とされています 。
自己放電率が低いため、長期保存に適しています 。
使用寿命の目安
一方、機器に組み込んで使用した場合の寿命は、消費電力の大小で大きく変わります。
- 高負荷での使用: CR2025は放電が早く、高負荷の機器では約2〜3ヶ月で電池切れになることがあります 。
- CR2032: CR2025よりも容量が大きいため、同じ高負荷の機器でも約3〜4ヶ月と、より長く使えます 。
一般的に、容量が大きいCR2032の方がCR2025よりも長持ちするため、電池交換の手間を減らしたい機器にはCR2032が適していると言えます。
ただし、これはあくまで目安です。
スマートキー電池やおもちゃ,リモコンのように消費電力が少ない機器では、これらの電池はさらに長期間使用できることが期待できます。
CR2025とCR2032のメーカーによる違いは?
ボタン電池のCR2025とCR2032は、一見すると同じように見えますが、実はそれぞれに得意なことがあり、どのメーカーを選ぶかによっても「個性」が異なります。
メーカーごとの違いを簡単にまとめると、次のようになります。
国内メーカー vs. 海外メーカー
国内メーカーが海外工場で製造した電池も多くありますが、これらは国内製品と同等の高い品質基準で作られており、さらに国内のサポートも受けられるため安心です。
海外メーカーは非常に安価で、まとめて買うとさらにお得です。安い製品の中には、すぐに電池が切れてしまったり、品質が安定しなかったりするものもあります 。長期保管には向いていない場合が多いです 。
主要メーカーごとの「個性」
国内メーカーは、それぞれ独自の技術を活かして、特定の分野で強みを持っています。
パナソニック : 耐熱・耐低温技術
夏の暑い車内や、冬の寒い場所でも安定して使えるよう、特別な技術で電池を作っています。車の鍵(スマートキー)など、温度変化が激しい場所で使う機器に最適です。
マクセル : 液漏れ防止技術とユーザーへの配慮
電池から液体が漏れ出すのを防ぐ技術に力を入れています。これは、大事な機器が壊れるリスクを減らしてくれます 。また、電池のプラス極に金メッキを施すことで、電池の向きがわかりやすくなったり、機器との接触が良くなって電力が安定したりする工夫もしています。
村田製作所 : 大電流・高出力モデル
無線通信を行うスマートキーや、一時的に大きな力が必要なIoT機器など向けに、瞬間的に大きな電力を供給できる特別な電池を開発しています。これにより、機器がよりスムーズに、安定して動作します。
ボタン電池2025と2032の違い!互換性は全くない?代用できますか?
結論から言うと、基本的には代用できないと考えてください。
ボタン電池2025と2032の互換性と代用に関する注意点
CR2032をCR2025の代わりに使う場合
厚すぎるため、電池を入れることができないか、無理に押し込むと電池ケースや接点を破損させてしまう危険性があります。
CR2025をCR2032の代わりに使う場合
薄すぎるため、電池が固定されずにカタカタと動いてしまったり、接点にしっかりと触れずに通電しないことがあります。
機器が動いた拍子に電源が落ちるなどの不安定な動作の原因にもなります。
電気抵抗少なく薄いバネのような役割をする金属で隙間を埋めて、「短時間だけ一時的に代用する事」は可能かもしれません。
しかし、比較的安価な電池です。このような手間をかけた割に上手く通電しなかった事を考えると素直にコンビニや100均ストアで買った方が早い無難でしょう。
ボタン電池のCR2025やCR2032は何に使えますか?
両電池は、その特性に応じて様々な機器に使用されています。
- CR2025:
- 薄型電卓、電子手帳、ゲーム機、スマートキー、体温計、デジタル時計など、薄型・小型の電子機器でよく使われています。
- パナソニックの美顔器、冷蔵庫AIカメラ(Amazonでチェック)、プライベート・ビエラなどにも使われています。
- CR2032:
- 電卓、電子辞書、ゲーム機、体温計など、CR2025と共通する用途も多いです。
- より多くの電力を必要とする機器や、電池交換の頻度を少なくしたい機器に採用される傾向があります。
- コンピュータのCMOS電池、リモコン、ウェアラブルデバイス、セキュリティシステムなどにも広く使われています 。
CR2032はCR2025よりも容量が大きい分、より多くの電力を必要とする機器や、電池交換の頻度を少なくしたい機器に採用される傾向があります。
具体的には
CR2025は、消費電力が少ないデバイスとの相性が良く、腕時計やリモコン、体温計、卓上用の小型電子機器などに広く採用されています。
これらの機器は大きな電力を必要としないため、CR2025が持つ3Vの安定した電圧で問題なく動作します。
一方で、LEDライトや一部のIoT機器のように、より多くの容量を必要とする場合にはCR2032の方が適しています。
日産やマツダのスマートキーにはCR2025かCR2032のどっちの電池
スマートキーに使われる電池は、車種や年式によって異なるため、一概にどちらとは言えません。
多くの場合、CR2025かCR2032のいずれかが使われています。
- 日産車:CR2025が指定されている車種もありますが、CR2032が使われている車種も多く存在します。
- マツダ車:最近のモデルではCR2032が主流になりつつありますが、旧モデルではCR2025が使われているケースもあります。

一部の車種のスマートキーではCR2032がCR2025の代わりに使用できる場合もありますが、これはケースの設計が柔軟である場合に限られます。
しかし、推奨される使用方法ではないため、必ず機器に指定された型番の電池を使用することが重要です。
どの電池を使うべきか迷ったら、必ずお使いの車の取扱説明書を確認するか、すでにスマートキーに入っている電池の型番をチェックしてください。
間違った電池を使うと、スマートキーが正常に動作しないだけでなく、故障の原因にもなりかねませんので注意が必要です。
100均ストアのダイソーやセリアの製品は安いけど大丈夫?
100均ストアはコストを抑える努力をしている事もあり、PanasonicやMaxellなどの有名ブランドより多少品質は落ちるかもしれませんが、国際基準の設計に合わせて作られていますので普通に使えるのが一般的です。
また、ダイソーであれば、Maxellや三菱ブランドのボタン電池が置いているのを見かけました。

よくある質問(FAQ)
- QCR2025とCR2032は同じ電圧ですか?
- A
はい、両者とも同じ3Vの公称電圧を持っています。
- QCR2025とCR2032の寿命はどのくらいですか?
- A
使用する機器や環境によって大きく異なりますが、一般的な負荷での使用や保存期間としては、両者とも約10年持つとされています。しかし、高負荷での使用では、CR2032の方が容量が大きいため、CR2025よりも長持ちします。
- QCR2025とCR2032は代用できますか?
- A
基本的には代用できません。両者の電圧は同じですが、厚みが異なるため、機器に指定された型番の電池を使うのが最も安全です 。無理に代用すると、CR2032は厚すぎて機器を破損させる可能性があり、CR2025は薄すぎて通電が不安定になることがあります 。ただし、スマートキーなど特定の機器では、柔軟な設計によりCR2032がCR2025の代わりに使用できる場合もありますが、これはメーカーが推奨する使用方法ではありません 。
- Qボタン電池はどのように捨てればいいですか?
- A
ボタン電池は、電極にセロハンテープやビニールテープを貼って絶縁し、各市町村が指定する方法に従って廃棄してください。ショート(短絡)による発熱・発火を防ぐため、他の金属や電池と接触しないようにすることが重要です。また、一般社団法人電池工業会などが推進する「ボタン電池回収缶」が設置されている協力店もありますので、そちらの利用も検討しましょう。
まとめ:ボタン電池のCR2025とCR2032の違いと互換性
CR2025とCR2032は直径20mmで一見同じに見えますが、厚みが0.7mm異なることで容量や使用できる機器に違いが生まれます。
基本的に互換性はなく、代用は推奨されません。
無理に使用すると接触不良や故障の原因となるため、必ず機器に指定された型番を使うことが大切です。
スマートキーや電子機器でのトラブルを防ぐためにも、取扱説明書や実際に入っている電池を確認してから購入しましょう。
100均製品でも問題なく使えますが、長期使用や信頼性を求めるなら国内メーカー製を選ぶのが安心です。