オフグリッド生活とは?オフグリッド住宅をDIYで始める方法

オフグリッド DIY
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オフグリッドとは?そんなワードを耳にしたり、

電気料金の高騰や大規模災害、そして環境への意識の高まりを背景に、既存の電力網に依存しない「オフグリッド」な生活に注目が集まっています。

本記事では、オフグリッドの基本的な仕組みから、実際の導入方法、必要な設備、そして初期費用や維持費用まで、家庭でできるオフグリッド生活の始め方を具体的に解説していきます。

オフグリッドとは

オフグリッドとは、太陽光発電や蓄電システムなどを活用して、電力会社からの供給に頼ることなく、自立的にエネルギーを確保する生活スタイルです。

かつては専門的な知識や高額な設備投資が必要とされていたオフグリッドですが、近年では技術の進歩により、DIYで始められる選択肢も増えてきました。

オフグリッド生活の目的や必要性

電力の自給自足による経済的メリット 昨今の電気料金高騰は、多くの家庭の家計を圧迫しています。

太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用したオフグリッドシステムは、初期投資は必要となるものの、長期的には電気代の大幅な削減が期待できます。

再生可能エネルギーとは

自然界に常に存在し、繰り返し利用できるエネルギー源のことを指します。

これは、石油や石炭、天然ガスなどの有限な化石燃料とは異なり、枯渇することなく持続的に利用可能なエネルギーです。

特に、蓄電システムと組み合わせることで、夜間や悪天候時も安定した電力供給が可能となります。

災害時の防災対策

近年、地震や台風、豪雨など自然災害が増加傾向にあり、大規模停電のリスクも高まっています。

オフグリッドシステムを導入することで、外部の電力供給が途絶えた場合でも、最低限の生活に必要な電力を確保することができます。

これは、特に高齢者や医療機器を使用している方々にとって、生命線となる可能性があります。

エネルギー消費に対する意識が高まり

電力会社への依存度を減らすことで、エネルギー消費に対する意識が高まり、より効率的な電力利用が可能となります。

また、自身で電力を管理することで、エネルギーの使用状況を詳細に把握し、より賢明な消費行動につながります。

環境負荷の低減

化石燃料による発電は、地球温暖化の主要な原因の一つとされています。

再生可能エネルギーを活用したオフグリッドシステムは、CO2排出量を大幅に削減し、環境への負荷を軽減することができます。

個人レベルでの取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となります。

地域コミュニティの強化

オフグリッドシステムは、個人宅だけでなく、地域コミュニティ全体での導入も可能です。

これにより、災害時の相互援助や、余剰電力の共有など、地域の結びつきを強化する効果も期待できます。

このように、オフグリッド生活は、経済的なメリット、防災対策、環境保護、そして地域社会の強化など、多面的な価値を提供します。

現代社会が直面する様々な課題に対する、具体的な解決策の一つとして注目されているのです。

オフグリッド生活を実現するために必要な物

オフグリッド生活を実現するために必要な設備について、主要なものから説明していきます。

発電システム

太陽光パネル

設置場所の日照条件や必要電力量に応じて、適切な容量と枚数を選択します。

一般家庭の場合、4-6kWのシステムが標準的です。

屋根の向きや角度、影の影響なども考慮が必要です。

風力発電機(オプション)

地域の風況が良好な場合、太陽光発電を補完する電源として検討できます。

小型の家庭用風力発電機は1-3kW程度のものが一般的です。

蓄電システム

蓄電池

リチウムイオン電池が主流で、夜間や悪天候時の電力供給を担います。

一般家庭では10-15kWhの容量が推奨されます。

寿命は10年程度を想定する必要があります。

充放電コントローラー

太陽光パネルや風力発電機から発電された電力を適切に管理し、蓄電池の充放電を制御します。

システムの心臓部として重要な役割を果たします。

電力変換機器 ・パワーコンディショナー(インバーター)

直流電力を交流電力に変換し、家庭内の電気機器で使用できるようにします。

純正弦波出力タイプを選択することで、精密機器にも安全に電力を供給できます。

モニタリングシステム

電力監視装置 発電量、消費電力、蓄電状況などをリアルタイムで確認できます。

スマートフォンなどで遠隔監視できるシステムも増えています。

安全装置

ブレーカー、ヒューズ システムの保護と安全確保のために必要です。

アース(接地)設備 落雷対策や漏電防止のために不可欠です。

バックアップシステム(推奨)

ガスジェネレーター

ガスを燃料として使用し、電力を生成する装置のことです。

長期の悪天候時や機器のメンテナンス時に備えて、バックアップ電源があると安心です。

予備の蓄電池

主系統の蓄電池のトラブル時に備えて、小容量の予備蓄電池を用意しておくと良いでしょう。

生活設備の見直し

  • 省エネ家電 LEDライト、高効率の冷蔵庫、エアコンなど、消費電力の少ない機器への切り替えを検討します。
  • 熱効率を高める住宅設備 断熱材の強化、二重窓の設置など、エネルギー効率を高める工夫も重要です。

これらの設備は、一度に全てを導入する必要はありません。

生活スタイルや予算に応じて、段階的に導入していくことも可能です。

また、地域の気候条件や法規制なども考慮して、最適なシステム構成を検討することが重要です。

オフグリッド生活 メリットとデメリット

オフグリッド生活の主なメリットとデメリットについて、実践的な観点から説明します。

メリット

必要性の節でお話しした内容と重複しますがポイントをまとめますと

  1. 経済的な長期メリット: 電気代が実質ゼロになり、長期的な費用削減が可能 ・電力会社の値上げの影響を受けない ・余剰電力を売電できるケースもある ・将来的な光熱費の上昇リスクをヘッジできる
  2. 災害時の強み:停電時でも電力確保が可能 ・災害時の生活継続性が高い ・地域の避難所としての機能も期待できる
  3. 生活の質の向上 エネルギー使用への意識が高まる ・自給自足による達成感 ・電力使用の自由度が増す
  4. 環境への貢献 :再生可能エネルギーの活用でCO2排出削減 ・化石燃料への依存度低下 ・環境負荷の少ないライフスタイルの実現

経済的メリットは、初期投資が回収できる以上の電気代節約となりますので、長期的に効果を期待する必要があります。

ただし、電力会社の値上げに関しては、即効性が高いと考えます。

デメリット

  1. 高額な初期投資:太陽光パネル、蓄電池などの設備費用 ・設置工事費用 ・バックアップシステムの費用 ・投資回収に5-10年程度かかる可能性
  2. メンテナンス面の課題 :定期的な点検・整備が必要 ・機器の故障時の対応 ・専門知識が必要 ・部品交換などの追加コスト
  3. 天候依存のリスク:悪天候が続く場合の電力不足 ・季節による発電量の変動 ・夜間の電力確保の課題 ・地域による日照条件の制約
  4. 生活面での制約:使用電力量の管理が必要 ・大電力を使う機器の使用制限 ・生活習慣の見直しが必要 ・電力使用の優先順位付けが必要
  5. 法的・行政的な課題 :建築基準法などの規制への対応 ・地域の条例との整合性確認 ・保険や補償の問題 ・近隣との調整が必要な場合がある

実際の導入を検討する際は、これらのメリット・デメリットを自身の生活状況や地域特性、経済状況などと照らし合わせて、総合的に判断することが重要です。

また、完全なオフグリッドではなく、既存の電力網と併用する部分的なオフグリッドシステムの導入も、現実的な選択肢として検討する価値があります。

オフグリッドハウス(住宅)の導入価格と目安

オフグリッド住宅の価格は、使用する設備や規模によって異なりますが、一般的には数百万円から数千万円の範囲です。

具体的な価格は、設計や施工方法によっても変動します。

  • オフグリッドシステム導入にかかる費用を、規模や構成要素別に目安を示す。
  • DIYで導入する場合と業者に依頼する場合の費用比較を行う。
  • 補助金や優遇制度など、費用を抑えるための情報を提供する。

太陽光発電システムを業者に依頼する場合は

以下の記事に価格の目安と準備の進め方をまとめています。

お住まいの環境によっては、太陽光発電だけでなく別の発電機能を追加したり、消費をする対策をする事も考えられます。

追加検討項目と費用目安:

  1. 住宅の断熱改修:100-300万円
  2. 雨水利用システム:50-100万円
  3. 地中熱利用システム:200-400万円

コスト削減のポイント

  1. 段階的な導入 ・基本システムから始めて、徐々に拡張 ・使用状況を見ながら必要な設備を追加
  2. 補助金の活用 ・国や地方自治体の補助金制度の利用 ・グリーン投資減税などの税制優遇措置
  3. 省エネ対策の実施 ・LED照明への切り替え ・高効率家電への更新 ・断熱性能の向上
  4. DIYの活用 ・設置工事の一部を自己施工 ・メンテナンスの自己対応

投資回収の目安

費用対効果の計算例は以下の記事にまとめました。

導入を検討する際は、現在の生活スタイルと必要な電力量を詳細に分析し、適切なシステム規模を選択することが重要です。

また、将来的な拡張性も考慮に入れた計画を立てることをお勧めします。

オフグリッドハウスをDIYで実現する方法

DIYでオフグリッドハウスを実現するためには、電気や工事に関する基礎知識が不可欠です。

前置きとして以下のポイントに注意してください。

  1. 安全性の確保
  • 電気工事は危険を伴うため、必ず適切な知識と資格を持った人のサポートを受けましょう
  • 作業時は必ず安全装備を着用してください
  1. 段階的なアプローチ
  • 一度にすべてを実施するのではなく、小規模なシステムから始めることをお勧めします
  • 経験を積みながら、徐々にシステムを拡張していくのが賢明です

準備から取り付けまで及びその後の保全の流れは以下の項目に渡ります。

なかなか一人で全てをこなすには、ハードルが高いと思います。

設計段階で専門家のアドバイスを受けるて出来ることから進めていくことで、多くの失敗を防ぐことができます。

1. 事前準備と計画

必要な知識の習得

  • 電気工事の基礎知識(DC/AC、電圧、電流、配線方法)
  • 太陽光発電システムの基本原理
  • 蓄電システムの仕組み
  • 地域の建築規制や電気工事関連法規

システム設計

  • 1日の必要電力量の算出
    • 使用する電気機器のリストアップ
    • 各機器の消費電力×使用時間の合計
    • 季節変動の考慮
  • 必要な発電容量の決定
    • 日照条件の調査
    • パネルの設置場所と角度の検討
    • 蓄電池容量の計算

2. 必要な機材と工具

基本システム構成

  1. 太陽光発電システム
    • ソーラーパネル
    • パネル設置用架台
    • 接続ケーブル
  2. 蓄電システム
    • リチウムイオン蓄電池
    • チャージコントローラー
  3. 電力変換機器
    • インバーター(正弦波出力タイプ推奨)
    • 配電盤
  4. 測定・モニタリング機器
    • 電圧計
    • 電流計
    • 電力モニター

必要な工具

  • 電動ドリル
  • 圧着工具
  • テスター
  • 工具セット(レンチ、ドライバー等)
  • 安全保護具(ヘルメット、手袋、保護メガネ)

3. 実施手順

Step 1: ソーラーパネルの設置

  1. 設置場所の準備
  2. 架台の設置
  3. パネルの固定

Step 2: 蓄電システムの構築

  1. 蓄電池の設置
    • 換気の確保
    • 温度管理の考慮
  2. チャージコントローラーの接続
    • 極性の確認
    • ケーブルの適切な配線

Step 3: インバーターと配電システム

  1. インバーターの設置
    • 放熱スペースの確保
    • 防水・防塵対策
  2. 配電盤の設置
    • ブレーカーの適切な選定
    • アース工事

Step 4: システム接続とテスト

  1. 全体配線の確認
    • 極性チェック
    • 接続部の緩みチェック
  2. 動作テスト
    • 電圧・電流の測定
    • 各機器の動作確認

4. 安全対策とメンテナンス

安全対策

  • 感電防止措置
  • 落雷対策
  • 過充電・過放電防止
  • 温度管理システム

定期メンテナンス項目

  • パネルの清掃(月1回)
  • 接続部の緩みチェック(3ヶ月毎)
  • バッテリー状態の確認(月1回)
  • システム全体の点検(6ヶ月毎)

5. 注意事項

法的制約

  • 電気工事士資格の必要性
  • 建築確認の要否
  • 消防法の規制確認

保証・保険

  • 機器の保証期間確認
  • 火災保険の適用確認
  • メーカーサポートの範囲

この流れを見ても少しハードルが高いと感じる人も多いでしょう。

資格が必要なく、簡単に太陽光発電システムを導入するなら、

簡易的ではありますが、ポータブル電源と太陽光パネルのセットから始めることで

資格もなくオフグリッド生活の環境は構築できます。

また、太陽光パネルは、「ポータブルソーラーパネル」より「住宅用ソーラーパネル」の方が寿命が長いので、業者にパネルだけ設置してもらう事の選択肢の一つです。

「蓄電システム」、「電力変換機器」、「測定・モニタリング機器」の機能は、ポータブル電源に備わっているので、工事費を抑えることができます。

ポータブル電源の出力を家庭の分電盤に引き込んで併用できるようにしてくれる業者もあります。

初めての導入を検討されている方は、

そのように段階的に拡張することで、自身の経験や理解が深まり、業者との打ち合わせにも適切なやりとりができます。

失敗のリスクを最小限に抑えるなら、ポータブル電源+太陽光パネルのセットから始めてみてはいかがでしょうか?

ポータブル電源は、災害時などに移動もしやすく別の目的に流用できます。

ポータブル電源は家全体をバックアップするには、容量不足と感じる方もいるでしょう。

EcoFlowのDELTA Pro 3なら最大24kWhまで拡張できます。

4人暮らし以下であれば、1日分の容量をバックアップできます。

この節では、DIYで設置する事にテーマを置いてます。

できるだけリスク回避の意味でポータブル電源を使った導入を解説しました。

蓄電システムのポータブル電源も主流のバッテリーはリチウムイオンとなっていますが、全個体電池が主流になる時期が来るかもしれません。

新しいバッテリーへの切り替えもコスト面でハードルが低くなります。

まとめ

電気代の高騰や環境問題、災害への不安が高まる今、技術の進歩により、DIYでのオフグリッド導入のハードルは確実に下がってきています。

初期投資を抑え、小規模な導入から始めて自身の経験を積むことで、拡張時に自宅にあった適切な判断が自身でできるようになります。

個人でも適切な知識と準備があれば、十分可能となっています。

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