「スマホの充電器、毎回抜くの面倒だな…」「挿しっぱなしでも大丈夫?」
多くの人が一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
実際、充電器をコンセントにさしっぱなしにしてもすぐ壊れたり火災が起きるわけではありません。
しかし、長期間放置すると安全性・電気代・機器寿命に少なからず影響を与える可能性があります。
💡この記事でわかる事
充電器をさしっぱなしにする主なリスク
トラッキング火災の危険性と原因
充電器を長期間コンセントに挿したままにすると、「トラッキング火災」が起こるリスクがあります。コンセントの差込口にホコリがたまり、湿気と混ざることで電気が漏れ、発熱・発火することがあるためです。特に梅雨や冬の結露時期は要注意です。

具体例:
実際に、テレビの裏やベッドのそばなど、掃除が行き届かない場所のコンセントで火災が発生したケースも報告されています。
補足: 定期的に差し込み部分を乾いた布で掃除したり、トラッキング防止カバーをつけることで、このリスクは大幅に減らせます。
「特に冬場の結露は要注意」 トラッキング火災の原因となる湿気は、水回りだけでなく、冬場の窓際や、暖房の効いた部屋の冷たい壁際でも発生します。これを「結露」と呼びます。コンセントの差込口は密閉されておらず、冷えた壁に接していると結露が発生しやすく、ホコリと組み合わさって火災リスクを高めます。梅雨だけでなく、「冬の乾燥しているはずの室内」にも落とし穴があることを知っておきましょう。
経年劣化・発熱による内部損傷
充電器は使わなくても、内部の電子部品が経年劣化していきます。充電器内部には「コンデンサー」や「絶縁部品」があり、わずかな待機電流が流れることで熱がこもることがあります。これが長期間続くと、部品が劣化し発熱リスクが高まります。
具体例:
安価なノーブランド製の充電器では、熱対策が不十分なものが多く、内部で異常発熱するケースもあります。
補足:
PSEマーク(電気用品安全法)のある正規品を選ぶことで、内部構造が安全基準を満たしていることを確認できます。
充電器は、充電していない状態でも、内部の変圧回路(AC/DC変換)を動作させるために微量の電流を消費し続けています。このわずかな消費が熱となり、内部のコンデンサーや半導体に蓄積されます。
特に、小型化された高出力充電器(GaN充電器など)は、内部に熱がこもりやすい構造のため、安全規格を満たしていても長期間の挿しっぱなしには注意が必要です。
待機電力はどれくらい?電気代への影響
充電器を挿しっぱなしにしても、待機電力はごくわずかです。 一般的なUSB充電器の待機電力は約0.1W程度で、年間に換算すると電気代は10〜30円前後。経済的な影響はほとんどありません。
具体例:
家中の充電器を10個挿しっぱなしにしても、年間で数百円程度の電気代です。
補足:
ただし、古い充電器や模造品では待機電力が高く、発熱しやすい傾向があります。定期的な買い替えも検討しましょう。
スマホ・ノートPC・モバイルバッテリー別の注意点
機器によってリスクの性質が異なります。
| 機器 | 挿しっぱなしのリスク | 対策 |
|---|---|---|
| スマホ充電器 | 発熱・トラッキング火災 | 使用後は抜く or タイマーコンセント |
| ノートPCアダプター | 常時発熱・経年劣化 | 通電時以外は電源を切る |
| モバイルバッテリー | 過充電・膨張のリスク | 充電完了後に外す |
補足:
「充電器を挿しっぱなし」と「スマホをつなぎっぱなし」は別問題です。
スマホをつなぎっぱなしにするとバッテリー劣化の方が深刻になる点も注意しましょう。
モバイルバッテリー自体は充電器から外しても、満充電のまま長期放置すると内部セルの劣化、膨張、過充電による発熱恐れがあります。
充電完了後は必ずコンセントから抜く。また、モバイルバッテリー自体を満充電のまま長期放置しない(理想は80%程度の保管)。
挿しっぱなしでも安全に使うためのポイント
PSEマーク・正規品を選ぶ重要性
安全な充電器選びが、リスク回避の第一歩です。PSEマーク付きの製品は、国の電気用品安全法に基づいた検査をクリアしています。
具体例:
Anker・エレコム・Belkinなどの正規メーカー製品は、過電流防止・温度制御チップなどが搭載され、発火リスクを抑えています。
補足:
安価なノーブランド製品やリサイクルショップ品は、内部保護回路がない場合もあり危険です。
ホコリ・湿気対策と定期点検のコツ
結論: 定期的な掃除と湿気対策で、トラッキング火災の多くは防げます。
具体例:
補足:
見た目が焦げている・焦げ臭い場合は、すぐに使用を中止し新しい充電器に交換してください。
タイマー式コンセント・スマートプラグの活用
「抜き忘れ防止」には、スマートプラグやタイマー式コンセントが便利です。タイマー設定で自動的に通電を切るため、夜間や外出時の安全対策になります。
具体例:
スマートプラグならスマホアプリで遠隔操作も可能。照明や家電の節電にも応用できます。
補足:
Wi-Fi対応タイプを選ぶと、音声操作(Alexa・Google対応)も可能で利便性が高いです。
もっと簡単な
充電完了後に自動で電源を切る方法
充電完了後も電流が流れる状態を防ぐと、機器も安全に保てます。
方法例:
補足: 特に夜間充電では、この仕組みを使うことで「過充電」や「発熱トラブル」を未然に防げます。
さしっぱなしによるバッテリーへの影響

スマホの過充電リスクは?
最新スマホでは自動制御により過充電は起こりにくいですが、熱による劣化は依然としてあります。バッテリーは高温に弱く、長時間通電で温度が上がると化学反応が進みやすくなるためです。
具体例:
枕元でスマホを充電したまま寝ると、布団の熱で温度がこもり、バッテリー寿命を縮める原因になります。
リチウムイオン電池の特性と最適な充電習慣
充電は「20〜80%」の範囲を保つのが理想です。リチウムイオン電池は満充電や空っぽ状態が続くと、内部の化学構造が劣化しやすくなります。
具体例:
バッテリーケア機能を持つスマホ(例:iPhoneの最適化充電)を活用すると自動的に寿命を延ばせます。
夜間充電は本当に危険?専門家の見解
安全な環境なら問題ありませんが、発熱しやすい環境では避けるべきです。
具体例:
ベッドの中や絨毯の上での充電はNG。可燃物の近くでの通電は火災リスクがあります。
補足:
「充電しっぱなし」ではなく、「安全な場所で通電時間を管理する」ことがポイントです。
便利さと安全性を両立する使い方
毎回抜くのは非現実的?現実的な運用バランス
毎回抜く必要はありませんが、「長期放置」は避けましょう。
具体例:
数日〜1週間使わない場合や旅行前には必ず抜くことを習慣化します。
「抜かなくても安全にする」ための生活習慣
ポイント:
補足:
小さな習慣が大きな安全につながります。
家庭内の電源周りを見直すチェックリスト
まとめ|充電器をさしっぱなしでも“安全に使える環境”を整えよう
面倒だからと放置せず、“抜かなくても安全にできる工夫”を取り入れることが大切です。
FAQ
- Q充電器を挿しっぱなしにすると壊れる?
- A
すぐには壊れませんが、内部部品が少しずつ劣化します。2〜3年を目安に交換すると安心です。
- Q差しっぱなしで火事になる確率は?
- A
極めて低いですが、ホコリ・湿気・劣化が重なると起こり得ます。防塵キャップと定期掃除でリスクを防げます。
- Q夜寝るときに充電しても大丈夫?
- A
安全な充電器と環境であれば問題ありません。ただし、布団の中など高温環境では避けましょう。
- Qタイマーコンセントは節電にも効果ある?
- A
はい。無駄な通電を防げるため、節電と安全対策の両方に役立ちます。


