太陽光発電はクリーンなエネルギーを提供し、電気代を削減できるため、多くの注目を集めています。
しかし、その導入にはさまざまなデメリットも存在します。
条件次第ではやめたほうが良い場合があります。
慎重な検討が必要です。
本記事では、太陽光発電を導入する際に考慮すべきメリットとデメリットを詳しく紹介し、導入前に確認すべきポイントについても解説します。
太陽光発電を検討している方にとって、適切な判断ができるよう役立つ情報を提供します。
太陽光発電はやめたほうがいい5つの理由【デメリット】
1. 初期費用が高額
太陽光発電システムの設置には、数十万円から数百万円の初期費用がかかります。
電気代の節約効果により投資分を回収のするとしても、10年以上がかかる場合が多いです。
補助金やローンを利用することは可能ですが、それでも導入に踏み切るにはかなりの投資が必要です。
2. 天候に左右される発電量
太陽光発電は天候に大きく影響されるため、曇りの日や雨の日には発電量が減少します。
また、冬季のように日照時間が短い季節では、十分な発電が難しいこともあります。
年間を通して、発電効率は平均で10〜20%程度減少することが予想されます。
そのため、曇天時や夜間には風力発電や蓄電池などの代替エネルギー源を組み合わせて利用することを検討するのも良いでしょう。
例えば、風力発電は夜間でも利用可能で、蓄電池は昼間に蓄えた電力を夜間に使うことで、安定した電力供給を実現できます。
ただし、風の少ない地域では、その実現も難しくなります。
3. メンテナンスの手間と費用
定期的な点検やメンテナンスが必要で、パネルの清掃や機器の交換など、追加のコストが発生することがあります。
通常、パネルの清掃は年に1〜2回、機器の点検は数年に一度行うことが推奨されており、清掃費用は1回あたり数万円程度、インバーターの交換費用は数十万円に上ることがあります。
これにより、長期的なコスト負担が増加する可能性があります。
4. 設置場所の制約
十分な発電を行うためには、広い屋根や適切な日当たりのある土地が必要です。
都市部の住宅や集合住宅などでは、十分なスペースが確保できない場合も多く、設置が難しいことがあります。
5. 環境変化によるリスク
自然災害や気候変動によるリスクも無視できません。
台風や大雪などでパネルが破損する可能性があり、修理には追加のコストがかかることがあります。
太陽光発電を今すぐに始めるべき5つの理由【メリット】
1. 電気代の節約
自宅で発電した電力を利用することで、毎月の電気代を大幅に削減することができます。
特に電力料金が高騰している現在では、大きなメリットとなります。
2. 環境に優しい再生可能エネルギー
太陽光発電はクリーンなエネルギー源であり、二酸化炭素排出を抑えることができます。
環境に配慮した生活を送りたい方にとって、地球温暖化防止への貢献が期待できます。
3. 自然災害時の非常用電源
停電時でも、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、自宅で電力を確保することができます。
例えば、照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電など、最低限の生活に必要な電力をまかなうことが可能です。
災害に備える手段としても有効です。
4. 固定価格買取制度の利用
発電した余剰電力を売電することで収入を得ることができます。
固定価格買取制度(FIT)により、通常10年間は安定した価格での売電が可能です。
10年のFIT期間終了後は、市場価格での売電となり、買取価格が変動するため、売電収入が不安定になる可能性があります。
5. 長期的な投資効果
太陽光発電システムの寿命は通常20~30年以上とされており、長期的には初期投資を回収し、利益を得ることが期待できます。
また、住宅の資産価値を向上させる効果もあります。
太陽光発電を導入する前に確認すべき5つのポイント
1. 設置場所の条件
太陽光パネルの設置には、日当たりの良い場所が必要です。
屋根の向きや角度、周辺の影の影響を事前に確認しましょう。
2. 初期費用と補助金の有無
設置にかかる初期費用がどの程度になるか、自治体や国の補助金が利用できるかを確認して、導入計画を立てることが大切です。
3. 発電量の見積もり
設置する場所や使用するパネルの性能によって、どの程度の発電量が期待できるかをシミュレーションしておきましょう。
これにより、電気代削減の効果を予測できます。
太陽光発電の導入を検討する際、設置場所での発電量や経済効果を事前にシミュレーションできるサービスが多数提供されています。以下に、主なシミュレーションサービスをご紹介します。
- ソーラーパートナーズの発電量シミュレーション:過去29年間の天気データと国の推奨する計算方法を用いて、実際の発電量に近いシミュレーションを提供しています。 ソーラーパートナーズ
- 京セラの簡単シミュレーション:4つのステップで、お住まいの地域や設置予定の太陽光発電の容量、電気料金などを入力することで、発電量や節約効果を試算できます。 京セラ
- シャープのWebでパッ!ソーラー簡単シミュレーション:GoogleのSolar APIを活用し、住宅の屋根のサイズや角度を計算して、設置可能な太陽光パネルのサイズや性能を推定します。 サンクル
- サンクル:住所を入力するだけで、設置費用や補助金、発電量を瞬時に概算できるシミュレーションサービスです。 サンクル
- LIXILの太陽光発電システム導入シミュレーション:太陽光発電システムの大きさや設置条件を選択し、予想発電量や節約電気料金、環境貢献の目安をシミュレーションできます。 レシステム
これらのサービスを活用することで、設置前に発電量や経済効果を具体的に把握し、最適な導入計画を立てることが可能です。
4. メンテナンスの必要性
太陽光発電システムには定期的なメンテナンスが必要です。
どの程度の頻度で、どのような作業が必要かを理解しておきましょう。
1. ソーラーパネルの清掃
- 頻度: 1年に1回〜2年に1回
- 内容: ソーラーパネルに付着したホコリ、鳥のフン、落ち葉などを取り除くことで、発電効率を向上させます。雨水によってある程度は自然に洗い流されますが、長期間汚れが残ると発電量が減少することがあります。
2. 配線・接続部の点検
- 頻度: 1年に1回
- 内容: ケーブルや接続部の損傷やゆるみ、腐食がないか確認します。風や動物によるダメージが発生することがあるため、早期に異常を発見して修理することが重要です。
3. パワーコンディショナーの点検
- 頻度: 5年に1回程度
- 内容: パワーコンディショナーは直流を交流に変換する重要な機器です。一般的に10年〜15年程度が寿命とされており、定期的に動作確認やファンの清掃などを行い、必要に応じて交換します。
4. 架台の点検
- 頻度: 1年に1回
- 内容: ソーラーパネルを支える架台がしっかり固定されているか、サビやゆるみがないかを確認します。特に風が強い地域では、架台がしっかり固定されていることが非常に重要です。
5. 発電量のモニタリング
- 頻度: 日常的に(または月に1回)
- 内容: モニタリングシステムを活用し、発電量が正常に維持されているか確認します。通常の発電量よりも急激に低下した場合、システムの異常が疑われるため、早急に原因を特定し修理を行う必要があります。
6. 接地抵抗の測定
- 頻度: 1年に1回
- 内容: 雷などからシステムを守るための接地抵抗の測定を行います。接地抵抗が規定値を超えている場合、改善が必要です。
5. 契約内容と保証
システムを購入する際には、保証期間や修理対応などの契約内容を十分に確認することが重要です。
例えば、
- 保証期間中にどの範囲まで修理費用がカバーされるのか?
- 交換が必要な場合の対応方法はどうなっているのか?
などを確認することで、長期的に安心して使えるかを判断するためのポイントとなります。
太陽光発電についてのよくある質問
太陽光発電は何年で元が取れる?
一般的には10年から15年程度で初期投資を回収できるとされていますが、電気代の削減額や売電価格、設置条件によって異なります。
10年後の電気の買取価格はどうなる?
固定価格買取制度(FIT)の期間終了後は、市場価格での売電となるため、買取価格は変動します。
予測が難しいため、余剰電力の自家消費を増やすことも検討が必要です。
例えば、電気自動車の導入により移動費の抑制を試みるなどが考えられます。
太陽光発電の機器の寿命はどのくらい?
太陽光パネルの寿命は一般的に25年から30年程度です。
ただし、パネルの性能は経年劣化により徐々に低下し、発電効率が年間約0.5%から1%程度減少することがあります。
また、インバーターなどの周辺機器は10年程度で交換が必要になることがあります。
ただ、技術の進歩に伴い、交換する頃には交換コストがだいぶ安くなっている可能性があります。
最近では、ペロブスカイト太陽電池に大きな期待が寄せられています。
太陽光発電と蓄電池は同時に設置した方がいい?
蓄電池を同時に設置することで、夜間や停電時に電力を利用できるため、エネルギーの自給自足を目指す方にはおすすめです。
自宅用であれば、手軽に蓄電池の代わりとして、低コストで入手しやすいポータブル電源を導入する方法もあります。
まとめ
太陽光発電は、多くのメリットを持ちながらも、デメリットやリスクも考慮しなければならない選択肢です。
初期費用の高さやメンテナンスの手間、設置場所の制約といった課題はあるものの、電気代削減や環境への貢献、非常時の電源確保といった利点も見逃せません。
導入を検討する際には、自身の生活スタイルや設置条件をしっかりと評価し、最適なエネルギーソリューションを選ぶことが重要です。