太陽光パネルが故障したとき、その原因や対処方法がわからず困っている方へ。
本記事では、太陽光発電システムが発電しない原因、よくある故障事例、修理費用、パワーコンディショナーの寿命などについて詳しく解説します。
また、システムを長く安全に使い続けるための予防策についてもご紹介します。
太陽光発電しない主な原因
太陽光発電システムが発電しない原因を特定することは、効率的な修理やメンテナンスを行うために非常に重要です。
代表的な原因としては、
環境要因
- 太陽光パネルの汚れや影による発電量の低下
- 天候不良による日照不足
機器の問題
- 配線の劣化や破損
- パワーコンディショナーの故障
- 系統連系の不具合 などが挙げられます。これらの原因を特定し、対策を講じることが重要です。
太陽光発電システムのよくある故障事例と対処方法
パネルの発電が低い
問題点:
パネルの発電量が低い場合、その原因はさまざまです。
最も一般的な原因には、パネル表面の汚れや影の影響があります。
例えば、鳥の糞や落ち葉、ほこりがパネルに蓄積すると、太陽光を十分に吸収できなくなり、発電効率が大幅に低下します。
また、近隣の建物や木が影を落とすことでも、発電が妨げられることがあります。
対処法:
まずは、パネルの定期的な清掃を行いましょう。
ほこりや汚れを取り除くことで、効率を回復させることができます。
また、パネルの設置場所や角度が適切であるかどうかを確認し、影の影響を最小限に抑えるための配置見直しを検討することも重要です。
特に季節の変化によって影の位置が変わることがあるため、年間を通じて状況をチェックすることが効果的です。
インバーターの故障
問題点:
太陽光発電システムにおけるインバーターは、直流電力を交流電力に変換する役割を果たしています。
このインバーターが正常に動作していないと、電力の変換がうまくいかず、発電量が低下してしまいます。
特に、エラーメッセージや警告ランプが点灯している場合は、何らかの異常が発生している可能性があります。
対処法:
インバーターに異常が見られた場合、まずはインバーターのパネルを確認し、エラーメッセージを読み取ります。
その後、取扱説明書に従い、必要に応じてリセットを試みるか、メーカーや設置業者に相談して修理や交換を検討します。
インバーターは高価な部品であるため、メーカー保証が有効であればサポートを受けることも重要です。
配線や接続の問題
問題点:
パネルからインバーターに至るまでの配線や接続部分での不具合も、発電不良の原因となります。
特に、強風や動物の影響で配線が傷ついたり、接続が緩んだりすることがあります。
こうした物理的な問題は、システム全体の動作に深刻な影響を与えます。
対処法:
配線や接続部分に異常がないかを目視で確認します。
断線や接続不良が見つかった場合は、無理に自分で修理せず、プロの技術者に依頼するのが安全です。
特に電源を操作する際には、必ずシステムをオフにしてから作業を行うことが求められます。
安全第一で対策を進めましょう。
天候による影響
問題点:
太陽光発電システムは天候に大きく依存します。
曇りや雨の日には、晴天時に比べて発電量が大幅に減少することがあります。
また、冬季は日照時間が短いため、発電量が低下しやすいです。
これらはシステムの特性上、避けられない問題です。
対処法:
天候の影響を完全に避けることはできませんが、発電量の予測を行い、季節や天候による変動を理解しておくことが重要です。
また、電力の使用状況を把握し、発電量が少ない日には消費電力を抑えるよう調整することで、効率的にエネルギーを利用することが可能です。
太陽光発電システムのよくある故障時の費用
以下のような故障事例は、長期間の使用や環境要因により発生しやすく、発電効率に大きな影響を与えます。
- パネルの破損:強風や飛来物による損傷が原因でパネルが破損することがあります。この場合の修理費用は数万円から十数万円が一般的です。
- パワーコンディショナーの不具合:電力を直流から交流に変換する装置であるパワーコンディショナーが動作しなくなると、システム全体が発電できなくなります。交換費用は10万円から30万円ほどになります。
- 配線の劣化:長期間の使用により配線が劣化し、接触不良が発生することがあります。修理費用は状況によりますが、1万円から5万円程度が目安です。
太陽光発電の故障率
環境省の調査によると、以下の図のようになります。
太陽光パネルもパワーコンディショナーも1年目の故障率が高いのは、初期不良と予想されます。
多くのメーカーは10年保証となっている傾向があるので、10年以降の故障率がポイントになるでしょう。
太陽光発電システムの故障率は比較的低いとされていますが、設置条件や使用環境によって異なります。
適切な設置とメンテナンスを行うことで、故障率を大幅に下げることができます。
また、製品の品質も故障率に大きく影響するため、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが推奨されます。
太陽光パネルのパワーコンディショナー故障と寿命
太陽光発電システムの重要なコンポーネントであり、寿命は一般的に10年から15年程度とされています。
寿命を迎える前に交換することで、システムの安定した発電を維持することができます。
また、故障の兆候としては、発電量の急激な低下やエラーメッセージの表示が挙げられます。
これらの兆候が見られた場合、専門業者による点検が必要です。
ソーラーパネルの故障診断
ソーラーパネルの故障診断は、専門的な機器を使って行い、早期に診断することがシステムの安定運用にとって非常に重要です。
発電量の低下が見られる場合、以下の手順で故障診断を行います:
- パネルの外観点検:割れや汚れ、影の影響がないか確認します。
- 電気的な測定:直流電圧や電流の測定を行い、正常な範囲にあるかを確認します。
- パワーコンディショナーの確認:エラーメッセージの有無をチェックし、異常がある場合はメーカーに問い合わせます。
太陽光発電システムの故障やトラブルを防ぐために
太陽光発電システムの故障やトラブルを防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
これらの対策を講じることで、システムの長寿命化とトラブルの予防が期待できます。
具体的な対策としては、
- 信頼できるメーカーの選定:初期の導入時に信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことで、故障のリスクを軽減します。
- 定期的な清掃:パネルの汚れを取り除くことで、効率的な発電を維持します。
- 点検の実施:少なくとも年に一度は専門業者による点検を行い、異常の早期発見を心がけます。
太陽光発電システムのトラブルを未然に防ぎ、長期間にわたって安定した発電を維持するためには、これらの対策をしっかり行うことが重要です。
太陽光発電システムの保証期限
太陽光の保証期間は最低でも10年です。
ほとんどのメーカーが、システム保証は10~15年、出力保証は20~25年に設定しており、この保証期間内であれば、無料で修理や交換に応じてもらえます。
保証期間内であれば、故障時の修理や交換が無償で行われることが多いため、導入時に保証内容をよく確認することが重要です。
また、保証の適用範囲が限られています。
自然災害による破損が心配の場合、保険に入る事も考えておくと良いです。
太陽光発電の保険にはどんなものがある?
住宅用太陽光であれば、住宅用の火災保険や住宅総合保険、ここに地震保険もプラスすれば、火災や自然災害、そして地震にも備えることができます。
また、産業用太陽光発電設備であれば、下記のような保険で備えることができます。
※いずれの保険も、加入する際には保険内容をよく確認しましょう。
火災保険、地震保険
火災保険では、火災・落雷・水災などの災害で発生した損害に対して保険金を受け取ることができます。
例えば、強風により屋根に設置したパネルが破損した場合や、落雷によってパワーコンディショナーが故障した場合にも適用されます。
施設所有者賠償責任保険
所有している太陽光発電設備が原因で、他人や他所に被害を与えてしまった場合に備える保険です。
例えば、台風でパネルが飛ばされて隣家の屋根を壊してしまったり、人にケガをさせてしまった場合にも適用されます。
休業補償保険
火災や自然災害で発電所が稼働できなくなった場合に、「本来なら得られるはずだった売電収入」を補償してもらうことができる保険です。
例えば、数週間にわたって発電が停止した場合などに適用されます。
まとめ
太陽光発電システムは、持続可能なエネルギーの供給源として多くのメリットがありますが、適切なメンテナンスと迅速な対応が求められます。
発電しない原因や故障事例を理解し、定期的な点検や清掃を行うことで、システムの安定した運用が可能になります。
また、信頼性の高いメーカーを選ぶことや、パワーコンディショナーの寿命に注意することも、システムのトラブルを防ぐ重要なポイントです。
これらの対策を実施することで、太陽光発電の効率と寿命を最大限に引き出し、安心して再生可能エネルギーを活用することができます。