E-Markerとは?USB-Cケーブルに必須のチップをわかりやすく解説【PD対応の見分け方も】

E-Markerとは?USB-Cケーブルに必須のチップをわかりやすく解説【PD対応の見分け方も】 テクノロジー知識
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「USB-Cケーブルを買ったのに充電が遅い…」「ノートPCが充電できない…」そんな経験はありませんか?

実はその原因のひとつが、ケーブル内にE-Marker(イーマーカー)チップが入っていないことかもしれません。

E-Markerは、USB-Cケーブルの中に埋め込まれた小さな制御チップで、USB Power Delivery(PD)による高出力充電を安全に行うためのカギとなる存在です。

この記事では、E-Markerの役割や仕組み、非搭載ケーブルのリスク、そして見分け方までわかりやすく解説します。

E-Markerとは?

E-Marker(Electronic Marker)とは、USB Type-Cケーブルの中に組み込まれた認識チップのことです。

このチップは、ケーブルの長さ・電流容量・通信対応規格などの情報をデバイスや充電器に伝える役割を持っています。

つまり、E-Markerがあることで、

「このケーブルは最大100W(20V/5A)まで対応しています」

「USB 3.2 Gen 2の通信に対応しています」

といった情報を正確に伝えられるわけです。

特に100W以上のPD充電(20V/5A)を行う場合には、USB規格上E-Markerチップの搭載が必須とされています。

そのため、ノートPCやタブレットを充電する高出力ケーブルには、ほぼ確実にE-Markerが入っています。

E-Markerチップが必要な理由

USB Type-Cは、最大100W(20V/5A)という非常に高い電力を流せます。

しかし、E-Markerがないケーブルではその電流を安全に扱えるかどうか判断できません

E-Markerがあると、機器側はケーブルの性能を認識し、

「このケーブルなら5A流しても大丈夫」
「このケーブルは3Aまでに抑えよう」

といった制御が行えます。

これにより、次のような安全効果が生まれます。

E-Marker搭載ケーブル vs 非搭載ケーブルの違い
  • 過電流や発熱を防ぐ
    E-Markerがあると、デバイスがケーブルの限界値を正確に把握し、無理な電流を流さないよう制御します。結果として、発熱リスクが大幅に低下します。
  • ケーブルの焼損や機器の破損を防止する
    規格外の出力が流れると、ケーブル内部や接続端子が損傷するおそれがあります。E-Markerはこのような危険を未然に防ぎます。
  • 安全な電力供給を自動で行う
    機器とケーブルが互いの情報を交換し、最適な電圧・電流を自動調整。ユーザーが意識しなくても、安全な充電が行われます。

E-Marker搭載ケーブルの見分け方

E-Markerチップはケーブルの内部にあるため、外見では判別が難しいです。

以下のポイントを確認すると確実です。

  • 製品スペック欄をチェック
    「E-Marker内蔵」や「PD100W対応(20V/5A)」と明記されているものを選びましょう。これが最も確実な判断基準です。
  • USB-IF認証マーク(Certified USB)を確認
    USB規格の公式認証を取得したケーブルには、必ずE-Markerが搭載されています。パッケージや製品ページでマークを確認しましょう。
  • PCツールで認識情報を確認
    上級者向けですが、WindowsやMacでケーブルの内部情報を読み取れるソフトを使えば、E-Marker搭載の有無を確認できます。
  • 信頼できるメーカーを選ぶ
    エレコム、Anker、UGREEN、Belkinなどの大手ブランドは、規格に準拠した設計でE-Markerを正しく搭載しています。
USB-IF認証マーク

E-Markerチップがないケーブルのリスク

安価なUSB-Cケーブルの中には、E-Markerチップを省略しているものもあります。

これを高出力機器に接続すると、以下のようなトラブルを招くことがあります。

  • ノートPCが充電できない
    高出力が必要なノートPCでは、E-Marker非搭載ケーブルだと電力が足りず、充電が進みません。
  • 充電速度が極端に遅い
    E-Markerがないと、機器は安全を優先して出力を制限するため、PDの最大速度が出ません。
  • ケーブルが発熱・変形する
    定格を超える電流が流れると、ケーブル内部が熱を持ち、最悪の場合は被覆が変形することも。
  • 機器がショート・破損する可能性
    過大電流が流れると、スマホやノートPCの内部回路がダメージを受ける危険もあります。

特に「100W対応」と表記しながら実際は非搭載という偽表記製品も存在するため、購入時は注意が必要です。

E-Marker搭載ケーブルのおすすめ・選び方

E-Marker搭載ケーブルを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくと安心です。

  • 100W(20V/5A)PD対応かどうか
    最大出力100Wに対応しているケーブルなら、確実にE-Markerが入っています。
  • USB-IF認証を受けているか
    「USB-IF認証済み」マークがある製品は、国際規格に準拠しており信頼性が高いです。
  • E-Marker内蔵の記載があるか
    スペック欄で「E-Markerチップ内蔵」と明記しているかチェックしましょう。
  • 信頼できるメーカー製かどうか
    実績あるブランドなら安全基準を満たしており、品質トラブルのリスクが低くなります。

おすすめのE-Marker搭載ケーブル:

エレコム USB-Cケーブル C-C USB3-CC5P05N
USB3.1の規格である「Certified SUPERSPEED+ USB(USB3.1)」の正規認証品です。

Anker PowerLine III Flow(100W対応)
柔らかく絡みにくいシリコン素材を採用。高出力充電と耐久性を両立。

UGREEN USB-C to C ケーブル(5A対応)
高耐久ナイロン素材で断線に強く、PD充電にも対応。

Belkin BOOST↑CHARGE Pro Flex USB-Cケーブル
USB-IF認証取得で信頼性が高く、長期使用にも最適。

まとめ:E-Markerとは?USB-Cケーブルに必須のチップ

  • E-Markerとは、USB-Cケーブルの安全性と性能を支える小さな認識チップ。  内部通信によって、デバイスとケーブル間の電力制御を最適化します。
  • 高出力PD(最大100W)を安全に扱うために必須。  特にノートPCなどのPD充電では、E-Markerなしでは安全に給電できません。
  • 非搭載ケーブルは発熱やトラブルの原因になるため注意。  安価な製品を選ぶ際は「E-Marker内蔵」表記を必ず確認しましょう。
  • ケーブル選びは「E-Marker内蔵」「PD100W対応」「USB-IF認証」の3点チェックで安心。  これらを満たしていれば、安全かつ高速なPD充電が可能です。
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