近年、法改正が行われるなどモバイルバッテリーの安全性が注目されています。
その背景には、発火や爆発などの事故がニュースで取り上げられることが増えていることがあります。
特に、飛行機内での発火事故や、充電中の爆発事故などが報告されており、消費者にとって安全性は最優先の関心事となっています。
あなたもそんな火災事故を心配されて本記事に関心を持ったではないでしょうか?
とはいえ、スマートフォンやタブレットは現代人の生活に欠かせないツールであり、その充電を担うモバイルバッテリーは、日常的に使用する重要な機器です。
信頼できる製品を選ぶことで、安心して外出先でも充電できるようになります。
今回、モバイルバッテリーの「安全でおすすめのメーカー紹介」と安全性の高いモバイルバッテリーの選び方を解説します。
リチウムイオン電池が主流でしたが、安全性の高い「ナトリウムイオン電池」についても紹介しています。
モバイルバッテリーの安全でおすすめのメーカーは?日本製と海外ブランド
まずは、結論として、おすすめのメーカーと代表モデルを紹介します。
具体的な選び方の着眼点は次節で解説予定です。
安全でおすすめのモバイルバッテリーメーカー1:ELECOM(エレコム)
特徴・強み:
ELECOMは国内屈指の開発力を誇るメーカーで、多機能性と安全性を重視した製品設計を行っています。
長年にわたるデジタル機器の開発経験を活かし、ユーザビリティと安全性を両立した製品を提供しています。
代表モデル・特徴:
DE-C49-10000DWF:
10000mAhの大容量で、軽量設計により携帯性も確保しています。
急速充電に対応し、様々な保護機能を搭載しているため、安全かつ効率的に充電できます。
デザイン性も高く、ビジネスシーンでも使いやすい製品です。
安全でおすすめのモバイルバッテリーメーカー2: maxell(マクセル)
特徴・強み:
maxellは唯一の「Made in Japan」表記があるモバイルバッテリーを製造しているメーカーです。
国内工場での製造により、品質管理が徹底されており、信頼性が抜群です。
日本の安全基準を満たすだけでなく、独自の品質管理システムにより、より高い安全性を実現しています。
代表モデル・特徴:
MPC-T6200P:
6,200mAhの容量で、軽量155gという携帯性の高さが特徴です。
PSEマークを取得しており、コンパクトなサイズで日常的な使用に最適です。

安全でおすすめのモバイルバッテリーメーカー3:CIO(シーアイオー)
特徴・強み:
CIOは日本発のブランドで、多機能性と高コストパフォーマンスを特徴としています。
薄型・軽量モデルを得意としており、特に女性や若い世代に人気があります。
デザイン性と機能性のバランスが取れた製品を提供しています。
代表モデル・特徴:
SMARTCOBY SLIM:
薄型軽量設計により、ポケットやバッグに収まりやすいサイズです。
急速充電やワイヤレス充電に対応し、家族旅行やビジネス出張など様々なシーンで活用できます。
安全でおすすめのモバイルバッテリーメーカー4:MOTTERU(モッテル)
特徴・強み:
MOTTERUは軽量・カラフルなデザインを特徴とするメーカーで、特に女性ユーザーに人気があります。
安全性を重視しながらも、ファッション性も考慮した製品設計を行っています。
PSEマークを取得した製品を中心に展開しています。
代表モデル・特徴:
MOT-MB5001-EC:
98gという超軽量設計で、コンパクトなサイズが特徴です。
PSEマークを取得しており、かわいい色展開で女性に特に人気があります。
日常的な使用に適した容量とサイズバランスが取れています。
エレコムの世界初の「ナトリウムイオン電池」を採用したモバイルバッテリー
エレコムから、世界で初めてナトリウムイオン電池を採用したモバイルバッテリー「DE-C55L-9000BK」が登場しました。
希少なリチウム資源に依存しないナトリウムイオン電池を採用することで、持続可能性にも貢献します。
安全性、長寿命、高出力、そして環境性能を兼ね備えたこのモバイルバッテリーは、まさに次世代の標準となる可能性を秘めています。
注目の特徴
リチウムイオン電池に比べて発火リスクが低く、安心して使えます。充放電サイクルは約5000回と非常に長く、毎日使用しても約13年間使い続けられる計算になります。
動作温度範囲は-35℃から50℃。真冬の雪山から真夏の砂漠まで、どんな過酷な環境下でも安定して動作します。
USB Type-Cポートは最大45W出力(USB PD対応)。スマートフォンやタブレットはもちろん、ノートPCの急速充電にも対応し、PPS(Programmable Power Supply)にも対応しているので、効率的な充電が可能です。
30W入力に対応しているため、モバイルバッテリー本体も約2時間でフル充電と短時間で準備が整います。
Anker (アンカー)やPhilips (フィリップス) のモバイルバッテリーの安全性
海外ブランドの代表的なAnker やPhilips のモバイルバッテリーについて安全性をまとめます。
Anker (アンカー) のモバイルバッテリーの安全性
Ankerは、最近2モデルがリコールとなるトラブルがありました。
しかし、全体的にはモバイルバッテリーの分野で非常に高い評価を得ており、その安全性も高く評価されています。
- 多重保護システム「MultiProtect」: Ankerの多くのモバイルバッテリーには、独自の「MultiProtect」セーフティシステムが搭載されています。これには、以下の保護機能が含まれています。
- 過充電保護: デバイスが充電完了後に過充電状態になるのを防ぎます。
- 過放電保護: バッテリーの過放電を防止し、バッテリー寿命を延ばします。
- 過熱保護: 充電中のバッテリーやデバイスの温度上昇を防ぎ、熱による故障を防止します。特に「ActiveShield 2.0」のような技術は、常時温度を計測・制御することで安全性を高めています。
- 短絡保護: 回路の短絡によるトラブルを未然に防ぎます。
- 電流制限保護: 過電流が流れた際に、自動的に電流を制限してデバイスを保護します。
- PSEマーク取得: 日本国内で販売されるAnkerのモバイルバッテリーは、電気用品安全法(PSE法)の基準を満たし、PSEマークを取得しています。これは、製品が安全基準に準拠していることを示すものです。
- 高品質な素材と設計: 最新技術の投入、安全性重視の設計、高品質な素材の採用により、製品の品質と安全性を確保しています。
- 長期保証とサポート: 多くの製品で18ヶ月の長期保証を提供しており、万が一の故障時にも迅速なサポートが期待できます。
- 注意喚起: Anker自身も、極端な使用環境(高温・低温、直射日光、布団の中など)や衝撃、水濡れを避けるよう、ユーザーに注意を促しています。また、バッテリーの膨張や異常な発熱が見られた場合は使用を中止し、適切に廃棄するよう呼びかけています。
Philips (フィリップス) のモバイルバッテリーの安全性
フィリップスもまた、モバイルバッテリーの安全性に力を入れています。
- 安全制御チップ搭載: すべての製品に安全制御チップを搭載しており、過電流、過電圧、過熱、ショートなどのトラブルを防ぎ、万が一の際には充電が停止する仕組みになっています。
- 多重保護機能: Ankerと同様に、過充電、過放電、過電圧、過電流、過温度、ショート保護など、複数の保護機能を搭載しています。
- NTCサーミスト搭載: フィリップスの独自技術である「NTCサーミスト」は、過電流などのトラブルを防ぎつつ、高温時には自動停止する機能を持っています。これにより、パススルー充電時などに発生しやすい発熱も抑制されます。
- PSEマーク取得: 日本国内で販売されるフィリップスのモバイルバッテリーも、PSEマークを取得しており、電気用品安全法の基準を満たしています。
- 厳格な試験: 開発・設計のプロセスで、電気性能、安全性能、物理性能、環境適応性、使用体験など、多数の信頼性試験を実施し、これらをクリアした製品のみが販売されています。
- 燃えにくい素材: UL94規格の燃えにくい素材を採用するなど、素材レベルでの安全性にも配慮しています。
モバイルバッテリーの安全でおすすめのメーカーは?安全性の条件と選び方
安全性の基準や選び方をまとめました。
モバイルバッテリーは家族や友人と共有することも多いため、安全性は個人だけでなく周囲の人々の安全にも直結します。
さらに、モバイルバッテリーは持ち運びが前提の製品であるため、様々な環境下で使用されます。
高温や低温、湿度の高い場所など、過酷な条件下でも安全に動作することが求められます。
このような背景から、安全基準を満たし、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要になっています。
モバイルバッテリーの安全性の基準と選び方
モバイルバッテリーの安全基準のポイント
PSEマーク
PSEマークは日本の電気用品安全法に基づく安全認証マークです。
このマークが付いている製品は、国が定めた安全基準をクリアしていることを示しています。
モバイルバッテリーを選ぶ際は、必ずPSEマーク付きの製品を選択しましょう。
このマークがない製品は、法的に販売が禁止されている場合があります。
PSEマークについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
過充電・過放電保護機能
バッテリーの劣化や事故を防ぐために重要な機能です。
過充電保護機能は、バッテリーが満充電に達した際に自動的に充電を停止し、過放電保護機能は、バッテリーの電圧が危険なレベルまで下がった際に自動的に放電を停止します。
これらの機能により、バッテリーの寿命を延ばし、安全性を向上させることができます。
国際的な安全認証
UL(アメリカ)、CE(ヨーロッパ)、FCC(アメリカ)などの国際的な安全認証も信頼性の指標となります。
これらの認証を取得している製品は、厳しい安全基準をクリアしていることを意味します。
特に、海外旅行や国際的な使用を想定している場合は、これらの認証の有無も確認することをおすすめします。
安全で使い勝手の良いモバイルバッテリーの選び方のチェックリスト
1.安全マークの有無
前述のように国内のPSEマークがついているものを選びましょう。
また、海外で使用予定であれば、UL(アメリカ)、CE(ヨーロッパ)、FCC(アメリカ)などの国際的な安全認証済みの物を持ち歩く事をおすすめします。
厳しい基準をクリアした安心感だけでなく、渡航先でも安心してもらえます。(逆の立場だと自国の安全基準を満たしていない機器を持ち運ばれたら怖いですよね?)
2. 容量(mAh)と用途のバランス
容量は使用目的に応じて適切に選択することが重要です。
スマートフォン1回分の充電であれば5000mAh程度、複数回の充電やタブレットの充電も行いたい場合は10000mAh以上が目安です。
ただし、容量が大きいほど重量も増加するため、携帯性とのバランスを考慮する必要があります。
3. 急速充電対応
最近のスマートフォンは急速充電に対応しているものが多いため、モバイルバッテリーも急速充電に対応しているものを選ぶと便利です。
USB-C PD(Power Delivery)やQuick Chargeなどの規格に対応している製品を選ぶことで、短時間で効率的に充電できます。
4. コンパクトさや軽量性
日常的な持ち運びを考えると、コンパクトで軽量な製品がおすすめです。
特に女性や高齢者の方にとっては、重量が重要な要素となります。
最近では、薄型で軽量なモデルも多く発売されているため、使用頻度や携帯性を考慮して選択しましょう。
5. 保護機能の有無
過充電・過放電保護に加えて、過電流保護、短絡保護、温度保護などの機能がある製品を選ぶことで、より安全に使用できます。
これらの機能は、異常が発生した際に自動的に動作し、事故を防ぐ役割を果たします。
5. 保証やサポート体制
万が一のトラブルに備えて、保証期間やサポート体制も確認しましょう。
日本メーカーの製品は、一般的に保証期間が長く、サポートも充実している傾向があります。
また、保証書や取扱説明書が日本語で提供されているかも重要なポイントです。
日本製モバイルバッテリーのメリット
日本メーカーのモバイルバッテリーには、技術力の高さに基づく安全性と信頼性の高さという大きなメリットがあります。
日本の製造業は長年にわたって品質管理と安全基準の向上に取り組んできており、その技術とノウハウがモバイルバッテリーにも活かされています。
特に、過充電防止や異常検知などの保護機能が充実しているモデルが多いことが特徴です。
日本のメーカーは、製品の安全性を最優先に考え、様々な保護機能を組み込んでいます。
これにより、使用中の事故リスクを最小限に抑えることができます。
また、サポートや保証が充実していることも大きなメリットです。
日本メーカーの製品は、一般的に保証期間が長く、日本語でのサポートが受けられます。
万が一トラブルが発生した場合でも、迅速かつ適切な対応を受けることができ、安心して使用できます。
さらに、日本の消費者ニーズに合わせた設計がされていることも特徴です。
日本の消費者は安全性や品質に敏感であり、そのニーズに応えるべく、高品質で安全な製品が開発されています。
また、日本の使用環境(湿度、温度変化など)を考慮した設計も行われています。
「日本メーカー」と「日本製」は必ずしも同じではない
多くの日本メーカーのモバイルバッテリーは、企画・設計は日本でも、実際の生産は中国や東南アジアで行われている場合が多いです。
ただし、品質管理や検査基準は日本の基準で行われていることが多いです。
安全に使うための注意点・正しい使い方
温度管理の重要性
高温・低温環境での使用は避けることが重要です。
直射日光の当たる場所や車内での放置は、バッテリーの劣化や事故の原因となる可能性があります。
特に夏場の車内は高温になりやすく、バッテリーに大きな負荷がかかります。
使用時は、適切な温度環境(0℃~40℃程度)で使用することを心がけましょう。
水分・湿気への注意
水や湿気は電子機器の大敵です。
雨天や水場での使用は避け、濡れた手での操作も控えましょう。
また、浴室やキッチンなど、湿度の高い場所での使用も注意が必要です。
万が一水に濡れてしまった場合は、すぐに使用を中止し、完全に乾燥してから使用してください。
物理的衝撃の防止
落下や衝撃は内部破損の原因となり、安全性に影響を与える可能性があります。
特に、バッテリー内部のリチウムイオン電池は衝撃に弱いため、取り扱いには十分注意が必要です。
専用のカバーやケースを使用することで、衝撃から保護することができます。
充電管理の適切な方法
過充電・過放電を避けることは、バッテリーの寿命を延ばし、安全性を向上させるために重要です。
充電しっぱなしにすることや、完全に放電してしまうことは避けましょう。
一般的に、バッテリー残量が20%程度になったら充電を開始し、80%程度で充電を停止するのが理想的です。
アクセサリーの選択
純正ケーブルや推奨アダプターを使用することは、ショートや発熱を防ぐために重要です。
互換性のないケーブルやアダプターを使用すると、充電効率が低下するだけでなく、安全性にも影響を与える可能性があります。
メーカーが推奨するアクセサリーを使用することをおすすめします。
定期的なメンテナンス
長期間使用しているモバイルバッテリーは、定期的に状態を確認することが重要です。
異常な発熱や膨張、異音が発生した場合は、すぐに使用を中止し、専門家に相談してください。
また、定期的に清掃を行い、端子部分の汚れを除去することも効果的です。
モバイルバッテリーの安全性に関するよくある質問(FAQ)
- Q「日本製」とはどこまでが日本製?
- A
「日本メーカー」の製品でも、多くは中国など海外での生産となっています。しかし、maxellの一部モデルは国内工場で製造されており、「Made in Japan」の表記があります。これらの製品は、日本の品質管理基準に基づいて製造されているため、特に高い信頼性があります。
- Q海外メーカーは危険?
- A
AnkerやRAVPowerなど、大手海外ブランドも安全基準や認証をクリアした高品質モデルを多数提供しています。これらのメーカーは、国際的な安全基準を満たす製品を開発しており、安全性についても十分な配慮がされています。ただし、正規代理店や信頼できる販売店での購入を心がけることが重要です。
- Q容量はどれくらいが目安?
- A
使用目的に応じて適切な容量を選択することが重要です。スマートフォン1回分の充電であれば5000~10000mAh、複数回の充電やタブレットの充電も行いたい場合は20000mAh以上がおすすめです。また、旅行やアウトドアでの使用を想定している場合は、より大容量の製品を選択することをおすすめします。
- Q充電速度はどのくらいが適切?
- A
充電速度は、使用するデバイスとモバイルバッテリーの両方が対応している規格によって決まります。一般的に、USB-C PDやQuick Charge 3.0/4.0に対応している製品であれば、比較的高速で充電できます。ただし、急速充電はバッテリーに負荷がかかるため、長時間の使用には注意が必要です。
- Q寿命はどのくらい?
- A
モバイルバッテリーの寿命は、使用頻度や使用方法によって大きく変わります。一般的に、適切に使用すれば2~3年程度は使用できます。ただし、容量の減少や充電効率の低下が見られる場合は、交換を検討することをおすすめします。
モバイルバッテリーの安全でおすすめのメーカーは?のまとめ
安全なモバイルバッテリー選びにおいては、「PSEマーク」「保護機能」「信頼できるメーカー」の3つの要素が重要です。
これらの要素を満たす製品を選択することで、安心して使用できます。
日本製(maxellなど)や日本メーカー(ELECOM、CIO、MOTTERU)の製品は、高い安全性と信頼性を提供しており、特に安心感が高いと言えます。
これらのメーカーの製品は、日本の安全基準を満たすだけでなく、ユーザーのニーズに合わせた設計がされています。
正しい使い方を守り、定期的なメンテナンスを行うことで、長く安全にモバイルバッテリーを利用することができます。
特に、温度管理や充電管理に注意を払い、推奨される使用方法に従うことが重要です。
最終的に、自分の使用目的やライフスタイルに合わせて、適切な容量と機能を持つ製品を選択することが、安全で快適なモバイルバッテリーライフを送るための鍵となります。