最近、「モバイルバッテリーが膨らんできた」「スマホの充電器がパンパンになっている」という方・・・。
実はそれ、とても危険なサインです。
もしあなたのモバイルバッテリーが膨らんでいるなら、爆発や火災の危険性すらあるのです。
本記事では、モバイルバッテリーが膨張する原因やリスク、正しい対処法・保管方法、そして安全な処分の方法まで詳しく解説します。
モバイルバッテリーが膨らむ原因
内部ショート:見えない亀裂が引き起こす熱暴走
モバイルバッテリー内部には、リチウムイオンセルという電池が複数搭載されています。
これらの内部に微細な亀裂や異物が入り込むと、内部ショート(短絡)が発生し、急激に熱を持つことがあります。
これが「熱暴走」を引き起こし、バッテリーが膨らむ原因となります。
リチウムイオン電池は、正極と負極の間を絶縁膜(セパレーター)が隔てています。
この絶縁膜に微細な亀裂や損傷が生じると、内部でショート(短絡)が発生します。
ショートが起こると、局所的に大きな電流が流れて急激に発熱し、異常な化学反応が連鎖的に進行します。
この状態を「熱暴走」と呼びます。熱暴走が進むと、電解液が分解されてガスが発生し、バッテリーが膨張します。
過充電・過放電:バッテリーに「ストレス」
過充電と過放電は、リチウムイオンバッテリーにとって大きな「ストレス」となり、寿命の短縮や安全性の低下を招く主要な要因です。
過充電:満タンを超えて蓄積されるストレス
過充電とは、バッテリーが満充電(100%)に達した後もさらに充電を続ける状態を指します。
この状態が続くと、バッテリー内部の化学反応が不安定になり、劣化が進行します。
最悪の場合、発熱や発火、膨張などのリスクが高まります。
具体的には、電解液が煮え立ったり、正極のリチウムイオンが過剰に放出されたりして、バッテリーの寿命が大幅に縮まります。
近年のスマートフォンやモバイルバッテリーには過充電保護機能が搭載されており、通常の使用環境では過充電による重大な事故は起こりにくくなっています。
それでも満充電状態で長時間つなぎっぱなしにすることは、バッテリーにストレスを与え、劣化を早める原因となります。
過放電:空っぽを超えて消耗されるストレス
過放電による劣化は、容量の減少、充電時間の増加、サイクル寿命の短縮、場合によっては発火のリスクまで引き起こします。
過放電は、バッテリー残量が0%になった後もさらに電力を使い続ける状態を指します。
この状態が長く続くと、負極の銅箔が溶けてしまい、バッテリー内部の構造が損傷。最終的には充電できなくなるなど、回復不能なダメージにつながります。
高温環境での使用・保管:バッテリーを蝕む熱
直射日光が当たる場所や車内など、高温環境での保管・使用は非常に危険です。
特に夏場に車内に放置すると、あっという間にバッテリーが膨張してしまうことも。
「モバイルバッテリー保管方法」は温度管理がカギです。
経年劣化:寿命を迎えたバッテリーのサイン
モバイルバッテリーは300〜500回の充放電で性能が劣化し始めます。
経年劣化により、セルが不安定になり膨張したモバイルバッテリーになることも。見た目の変化に注意しましょう。
膨らんだモバイルバッテリーの危険性
発火・爆発:想像を絶する破壊力
膨らんだバッテリーは、わずかな衝撃でも破裂・発火する可能性があります。
「モバイルバッテリー 膨張 爆発」や「バッテリー膨張 爆発」で報告されるように、火災事故につながった事例も存在します。
内部のリチウムイオン電池が劣化し、電解液が分解してガスが発生している状態です。
このガスは可燃性であり、バッテリー内部に充満することで圧力が上昇しています。
想像を絶する破壊力を持ち、非常に危険です。
炎の噴出と高温:
熱暴走が起こると、数秒から数十秒の間にバッテリーが非常に高温になり、火柱や炎を勢いよく噴き出します。その炎は一瞬にして周囲の可燃物(紙、布、プラスチックなど)に引火し、火災に発展する可能性があります。
爆発音と飛散物:
バッテリーケースが破裂する際には、かなり大きな爆発音を伴います。破片が周囲に飛び散り、人や物に危害を加える可能性があります。特に、プラスチック製の外装を持つモバイルバッテリーの場合、破片が目や顔に当たると失明などの重傷を負うことも考えられます。
連鎖的な火災:
モバイルバッテリーの容量が大きい場合や、周囲に複数のバッテリーが置かれている場合、一つが発火すると熱が伝播し、次々と発火・爆発が連鎖する危険性があります。
密閉空間での危険性増大:
自宅のリビングや寝室、車内など、密閉された空間で発火・爆発が起きると、炎と煙が充満し、逃げ遅れるリスクが高まります。また、消火が困難になることもあります。
水では消火困難:
リチウムイオンバッテリーの火災は、一般的な水による消火が非常に困難です。水が電気分解を起こして水素ガスを発生させ、火勢を強めてしまう可能性すらあります。消火には大量の水をかけ続けて冷却するか、砂や専用の消火器(D級消火器など)が必要になります。
有害物質の漏洩:健康被害の可能性
破裂したバッテリーからは、有害な電解液が漏れることがあります。
吸い込むことで呼吸器系にダメージを与えたり、皮膚に触れると炎症を起こす可能性も。
「膨らんだバッテリー 危険性」は想像以上です。
周囲への延焼:大切な財産を守るために
火災に発展すれば、家屋や家具、スマートフォンなど多くの財産を一瞬で失うことにもなりかねません。
「モバイルバッテリー破裂したらどうする?」とならないよう、早めの対処が重要です。
モバイルバッテリーが膨らんだらどう対処すればいい?安全な保管方法
絶対にやってはいけないこと
これらはすべて爆発・火災のリスクが高まる非常に危険な行為です。
「 膨張したモバイルバッテリーの放置」は絶対にNGです。
まずこれをして!安全を確保する第一歩
まず最初にすべきこと:安全確保のための第一歩
モバイルバッテリーの膨張を戻す事は可能か?
「モバイルバッテリーの膨らみを戻せる?」と考える人もいるでしょう。
結論から言うと一度膨らんだバッテリーは元には戻りません。
モバイルバッテリーの膨張は、内部のリチウムイオン電池が劣化し、電解質が酸化することでガスが発生している状態です。
これは不可逆的な変化であり、一度膨張してしまったバッテリーを元の状態に戻すことは技術的に不可能です。
膨張モバイルバッテリーの捨て方は? 正しい処分方法
膨らんだり、破裂したモバイルバッテリーの正しい処分方法適切な処分先を確認する事が大切です。
自治体の回収ルールを確認:地域ごとの違いを把握する
一般ゴミに出すのは違法・危険です。
地域ごとに指定された回収ルートを必ず確認しましょう。
一部自治体やリサイクルセンター、役所、地区センターにも回収ボックスが設置されています。
お住まいの地域のルールを事前に確認しましょう。
家電量販店・販売店の回収ボックスを利用する
ヨドバシカメラやビックカメラなどには、使用済みモバイルバッテリー回収ボックスがあります。
「膨張バッテリー 回収 無料」で検索すると、近くの回収店を見つけられることも。
メーカーを問わず無料で回収してもらえます事が多いです。
専門業者への相談:迷った時の最終手段
大量のバッテリーや法人向けには、専門の産業廃棄物業者に相談するのもひとつの方法です。
モバイルバッテリー膨張を防ぐ!長持ちさせるための賢い使い方
モバイルバッテリー 安全な保管方法
10〜30℃の室内温度で保管・充電することが重要です。
高温多湿や直射日光が当たる場所での使用・保管は、バッテリーの劣化を早めます。
充電や使用時は本体が熱くなりすぎないよう注意しましょう。
過充電・過放電に注意:正しい充電習慣を身につける
充電が100%になったら外す、20%以下で充電開始など、バッテリーに優しい習慣を心がけて。
充電は長時間つなぎっぱなしにしないようにします。
就寝中の充電や、使い切ったまま放置するのも避けてください。
長期間使わない場合は、バッテリー残量を50%程度にして保管するのが最適です。
定期的(月1回程度)に残量を確認し、必要に応じて充電してください。
不適切なケーブルや充電器は使わない
安価なケーブルや不適切な充電器の使用も膨張の要因となります。
モバイルバッテリーの取説で定められた正しい充電方法で充電しましょう。
信頼できる製品を選ぶ:PSEマークの重要性
安価なバッテリーには安全性が保証されていないものもあります。
「モバイルバッテリー膨らむ」といった口コミを見かけた際も、正規販売品・PSEマーク付きかを確認しましょう。
定期的なチェック:異常の早期発見
「バッテリー膨らんだらすぐに気づく」ための日常的なチェックが大切です。
まとめ:モバイルバッテリーは正しく使って安全に!
モバイルバッテリーの膨張は、決して軽く見てはいけない危険な兆候です。
「モバイルバッテリーが膨らんだらどうすればいいですか?」という問いには、
「使用をやめ、適切に保管し、正しく処分する」ことが最適解です。
日々の使い方を見直し、モバイルバッテリーと安全に付き合いましょう。
あなたと周囲の安全のために、この記事が少しでも役に立てば幸いです。